演出は日本が世界に誇る演出家蜷川幸雄。そして彼が
一番輝く作品がシェークスピアの作品。今までも数々の
名作を生み出している。
内容はヴェニスの貴族でムーア人のオセローが、デズデモ
ーナという美女を自らの妻とし、これをよく愛している。オ
セローの旗手イアーゴーは、同輩キャシオーの昇進を憎み、
オセローに、デズデモーナがキャシオーと浮気をしていると
進言する。真実味を増すために、イアーゴーは、オセローが
デズデモーナに送ったハンカチを盗み、キャシオーの部屋に置く。
これを知ったオセローは怒り、イアーゴーにキャシオーを殺す
ように命じ、自らはデズデモーナを殺してしまう。だが、イアーゴー
の妻のエミリアは、ハンカチを盗んだのは夫であることを告白し、
イアーゴーはエミリアを刺し殺して逃げる。イアーゴーは捕らえら
れるが、オセロはデズデモーナに口づけをしながら自殺するとい
いう内容。
吉田鋼太郎の綺麗で優雅な黒人であるオセローのその気品あ
る男らしい前半と、後半に嫉妬から感情的な男になっていく様
は見事としかいいようがない演技でした。
蒼井優の演じるデズデモーナとの年の差夫婦が、彼の湧き出る
感情と蒼井優の透き通る存在により、すごくいい感じに心に入っ
てきました。それは悲劇であるのに終盤に何か夫婦の愛に感動
すらしてしまう感情に繋がっていたのでしょう。
イアゴーを演じた高橋洋の徹底した悪役ぶりには、一緒に見に
行った連れは怒りすら覚えてました。演劇なのに役者を嫌いに
なるってどんだけって感じですが。。。。役者としてはうれしいん
だろうなー。
イヤー最高な舞台でした。シェークスピア×蜷川はやっぱりいい。