いつだったか元同期と話した記憶がある。
「19の『熊じいちゃん』は泣けるよね」
恐らく歌詞は長崎に住む実の祖父の話なんだと思う。
しかし『僕の中であなたは生きてます』という歌詞は、高齢者介護という仕事をして、何人かの死を見つめて、初めてグッとくるものがあった。
「私の中であなたは生きてます」
そう呟くときが今でもある。
「入居者の死を忘れられない」
と上司に言ったことがある。
「感情移入し過ぎ . . . 本文を読む
死臭、と言うのも嫌なのだけれど。
「もうすぐ(亡くなる)かもしれない」
といった状況くらいは判る。
活気がなくなり、便、呼吸に異常が見られる。
早番で朝食の介助をしようとしたら、1人の入居者さんが顔面蒼白だったもので驚いた。
近くにあった血圧計でバイタルをとる――低い。
夜勤の社員さんに伝え横になってもらったあと、
「Aさん、顔面蒼白だったので臥床して頂きました。バイタル○○の○○です。チアノー . . . 本文を読む