桜のアーケードをくぐる。 やがて見えるは赤い鳥居。 青い空に映える鶴岡八幡宮。 . . . 本文を読む
露天風呂に行くと毎回のように語り合う、『友達の在り方』。
「一番嫌いな友達のタイプは?」
「なんかいつでもいっしょ系。あれうざい」
「確かに。おまえは金魚の糞かよって」
「何でも自分で決められない子」
「人の話にいちいち全部アドバイスしてくる子」
「強気なヘタレ」
「・・・基本的に、女の子って好きじゃない」
みんなが頷きました。
似たもの同士なんです。
マイペース。
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湘南新宿ラインに乗っていると赤羽から池袋にかっとばしている間に、『大塚バッティングセンター』ってみえる。
「ちょっとスカッとしてくるわ」
今日の散歩は大塚。
と、大塚駅に降りたものの。
――休みかよ!!
「しかたない、今日は打たないほうがよかったのね」
小さく独り言。
ファーストフード、コンビニ、銀行。
見慣れた東京の風景でも、初めて降りた駅は何かが違う。
渋谷だって新宿だってそうだ . . . 本文を読む
小さい頃から自転車が絶対の交通手段だった。
自転車こそ世紀の大発明だと思う。
2人乗りにはたくさんの思い出がある。
まだ我が家に乗用車が来ていなかった頃。
保育園に送迎するため、地元を走りとおした2年間。
前に弟、母の背中に妹、ハンドルを握る母、後ろに私。
気候のいい季節は、手をつないだ4人が林の中を歩いていた。
高校から駅までの長い道。
スカートがめくれないように、それでも豪快に。
彼 . . . 本文を読む
5:00
ずいぶんぐっすりと寝た。
寝たのか起きたままだったのか分からないくらいの一瞬だった。
ぼんやりと仙台駅のテラスに座り込む。
もしこのまま何年も過ぎていたらどうしよう。
夜が明けるように季節も変わる。
実感がないまま気づいたら暖かくなっている。
私も変わっていきたいよ。
気づいたら変わっていたいよ。
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6:00
郡山行きの東北線で福島を目指す。
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3月4日 18:00
「ちょっと出かけてくるね」
「どこに?」
「新潟」
「いつからいつまで」
「今日の夜から火曜日まで」
『ちょっとそこまで』はいつもの常套手段。
いつものジーンズにワンスター。
白いコートに赤いカバン。
化粧水、めがね、カメラ、ブサイク(ニモ)。
いつもの学校かバイトに行くような格好で家を出た。
22:00
玄関でスニーカーをトントンしていた私をお父さんが呼び止めた。 . . . 本文を読む