最後の日。
今日2時の便で帰る。
朝、Sちゃんちの家の雪かきをした。
一宿一飯の恩義?
だけど、やっぱり道産子のほうが手際がよくって。
途中からコーチンで遊んでた。
今日は天気がいい。
昨日は黒く曇っていた空も、目を開けていると痛くなる空気も、今日はすがすがしい。
流氷だ!!
青い海の間に真っ白い帯。
海岸までは到達していないけれど、白と水色のコントラストが美しい。
鳥だ!!
あれはオオワシだ . . . 本文を読む
【貴重品を腹に巻かないでも寝れる朝】
布団の中では寒さは感じないが1歩外に出ると強烈な寒気が吹き込んでくる。
久々にお酒を飲み、久々に人と話し、久々に足を延ばして寝た。
普段は当たり前のことに、いちいち感動してしまうのが不思議だ。
Sちゃんのお母さんが出してくれたご飯は美味しいものばかり。
特に知床産の魚介や肉豚が美味しかった。
「ありがとうございます」
【知床博物館】
博物館には傷ついた . . . 本文を読む
汽車を車に乗り換えて、車は知床に向かって走り出した。
吹雪、吹雪、吹雪。
東京が3センチの積雪で大騒ぎしてたのがバカみたいに思える。
朝の天気予報通り、空の色は暗い。
オホーツク海も波が高く、遠くに見える流氷がもりあがったり沈んだりを繰り返していた。
元気なのはウミネコだけらしい。
北浜駅に寄り道。
流氷の見える駅として、観光客に大変人気のある駅である。
駅とはいえ列車アクセスがあまりよくないの . . . 本文を読む
朝5時、札幌。
『行きつけ』のネットカフェから外に出ると、まだ雪が降り続いていた。
駅前のコンビニでカップラーメンをいただく。
静かな大都会を目の前に、しょっぱい味が染みる。
7時半。
さすがにラッシュ時らしく人が多い。
重い荷物を引きづり、半ばフラフラしながら待合室を目指す。
石油ストーブの周りには人が集まっていて、折りしもはじまったNHKのニュースに見入っていた。
──天気予報のチェックしな . . . 本文を読む
改札を通って早速観光案内へ。
「宗谷バスターミナルはどこですか」
観光案内のおばさんは優しく教えてくれた。
「相当寒いですよ、風も強いから。飛ばされないように気をつけてね」
13時45分、定刻。
バスターミナルを発車した最強バスは北の果てを目指す。
市街地、南稚内駅を通り過ぎ、いよいよ車窓に海が映ってきた。
荒れ狂う日本海。
これくらいしか表現する言葉が浮かばない辺り、まだまだ読書体験が足りない . . . 本文を読む
抜海まできた。
札幌を出て5時間が経とうてしている。
稚内まで5時間、さらにバスに乗り換えて1時間。
とんでもない長旅だ。
──しかし稚内まで行って本当に宗谷岬までいけるだろうか。
外の吹雪は強さを増し、時折車窓全体を白が覆う。
不安になり、車掌に聞いてみた。
「あの、稚内から宗谷岬まで行きたいんですけど、宗谷バスが運行してるかどうかってわかりますか?」
すると車掌、ニッコリ笑って言った。
「大丈 . . . 本文を読む
旭川から列車は北に向きを変えた。
目指すは稚内。
今だかつて見たことのない雪の量だ。
信号、標識、公衆トイレ、全てすっぽり埋まっている。
真夏の風景を知っているだけに、ひどく驚かされる。
空はすっかり晴れあがっていた。
水色と白色の世界。
なんともメルヘンチックだが、屋外はとんでもなく寒いのだろう。
――このまま晴れといてくれないかな。
青空をじっと眺めているうちに、スーパー宗谷は士別を発車し . . . 本文を読む
昨日網走からオホーツク82号に乗って、今朝は札幌へ。
過去に何度もお世話になっている札幌駅。
スーパー宗谷1号は8時半に札幌を出て、稚内到着は13時半。
――特急のくせに4時間て!
ぼやきたくもなるが、北海道の広さからしたら仕方ないことだとは充分承知だ。
旅も中盤となると、疲労の色が見え隠れしてきた。
。
悪天候で最北端を目指すのだから体力を残しておかなければ。
旭川までは二度寝をすると決めこみ . . . 本文を読む
網走に早く着き過ぎてもやることがないので、せっかくだから川湯温泉で降りてみることにした。
駅から温泉街まで、バスで10分。
駅行き最終に間に合わせるには滞在時間が30分もない。
――しかたない。
それに待ち時間は2時間もあるのだ。
駅構内に足湯があるとはいえ、幹線道路から離れた無人駅で、しかも真冬――ちょっと怖いなあ。
小銭がないというアクシデントもあったがどうにかこうにか、温泉街行きのバスに乗 . . . 本文を読む
14時、釧路湿原に到着した。
夏季のみの営業だったが今年は列車を限定して停車する。
降りたのは二人だけだった。
情緒ある駅舎を後にして、細岡展望台へ急ぐ。
釧路行きSL冬の湿原号が、湿原駅に停車するのは20分後だ。
とはいえくれぐれも転ばないように。
細岡展望台。
誰もいないので本当にここで正しいのか判らなくなるが、看板が出ている、間違いない。
湿原には低気圧の影響もあってか、強い空っ風が吹いて . . . 本文を読む
2月14日、木曜。
朝5時、釧路。
最高気温は0度と、一応道内で一番暖かい場所である。
日本海側は吹雪一色であるのに対し、釧路と帯広には晴れマークがならんでいる。
……だが、これは寒い。
早々にチェックアウトを済まし、釧路駅で待つ快速はなさきに乗り込む。
目指すは日本本土最東端。
根室本線、花咲線。
雪は狩勝峠ほどはないものの、川は凍てついている。
6時をまわり少しずつ空が明るくなってきた。
. . . 本文を読む
2月13日、水曜。
12時を回り、ようやく終点が見えてきた。
5時に大宮を出て18時間。
思っていたよりの長旅になってしまったが、そのぶん北斗星を満喫することが出来た。
今まで北海道には何度も上陸したことけれど、北斗星は初めて。
高校時代から大宮駅で眺めていたブルートレイン。
「ああ、あたし今旅してるんだ」
吹きすさぶ雪に呟き、不意に旅情が湧いてきた。
南千歳駅に到着した。
色々教えて頂いた車 . . . 本文を読む
昨日の停車が朝まで響いていたらしい。
目覚めるとまだ外は真っ暗で、しかし時計を見てさらに外の轟音を聞いて、それは違うとすぐに気が付いた。
午前6時、ここは海の下。
定刻では3時に通過していたはずの青函トンネルだ。
目が覚めたら北海道の銀世界を想像していただけに、なかなか拍子外れである。
しかし仕方ない。
「ごらんあれが竜飛岬~」
なんて歌っていたら、耳がキィンと痛くなった。
不意に明るくなる。
海 . . . 本文を読む
22時を回り、列車は急停止した。
盛岡の手前、車窓にボンヤリと「鹿島台」の駅名標が浮かんでいる。
しばらく隣に停車していた普通列車が離れてから随分経つが、この寝台特急は動く気配をいっこうに見せてくれない。
まだ宮城だろうか、それとも岩手に入ったのだろうか。
街灯に照らされた雪が眩しい。
さっきまで見えていた駅のコンクリートは、気が付いたら真っ白に塗り潰されていた。
窓に額を押し付けてみると、あまり . . . 本文を読む
北斗星に乗り、一路北海道へ向かっています。
スープカレーを食べたあと、改札まで見送られた。
いつもの大宮駅とは違う風景であることにハッとする。
そうだ、私はこれから旅に出るんだ。
「いつかは乗りたいと思っていたけれど、まさか学生時代に乗れるだなんて」
旅は恋に似ている。
なぜ会いたいのかわからない。
わからないがそれでも会いたいと思ってしまう。
個室にはいり、検札を終えた。
冊子に目を通し . . . 本文を読む