今日は、先月20日に途中撤退した秋田県の山伏岳~高松岳~小安岳を周回してきた。
誰とも逢わない山歩きだった。
(朝にも午後にも、泥湯側、川原毛側の駐車場に車が無かった。)
山伏岳 1315.1m
高松岳 1348m
小安岳 1292.1m
*
いくらかでも早く大展望を見たいと、今回は前回の逆回りコースを選択。
(泥湯コースからの道だと高松岳までは時間がかかる。)
川原毛地獄手前の駐車場に車を置き、舗装道を秋の宮方向に少し下ると登山口。
登山届用紙に記入し、ボックスに投入。
(駐車場から見る川原毛地獄側)
(川原毛登山口:「遭難多し」看板が設置)
歩き始めてまもなく、道わきにマイズルソウやアカモノが目につくようになる。
それらをチラリ見しながら先に進む。
(アカモノ)
左側が少し開けた地点に来ると、行く手の方角が見えてきた。
(これから向かう山伏岳~高松岳の方角)
(その後に行く予定の小安岳の方角)
(滑りやすい箇所もある。)
(タムシバ:かろうじて残っていた。)
(このコースにはあまりないブナの道)
(ギンリョウソウ)
(案内標柱:上部がクマにかじられている。)
(イワカガミ)
(ムラサキヤシオ)
先ほどの標柱と山頂の中間あたりで、下を向いて黙々とやや傾斜のある道を上っていたら、すぐ左側のササヤブから突然”ガサ、ガサッ”と音がした。
クマだッ!!
慌ててストックで身構え、クマ除け鈴を大きく鳴らし、首から下げていた笛も数度吹いた。
黒い塊のようなものが移動していくのが分かった。
心臓の鼓動は、その後しばらくドックン、ドックンものだった。
「それにしても、「クマザサ」とはよく名付けたものだ。
ネマガリダケは、クマの好物。
もちろん、人にとっても。
秋田県ではタケノコ採りの方が多数クマと遭遇し、被害にあっている。
今日は、いつもと違うクマ除け鈴を付けてきて助かった。
(真鍮製の3連鈴で音が大きい。)
とはいえ、これほど近づいても逃げてくれないものなのか・・・?
鉢合わせにならずに済んでよかった、よかった・・・。」
そんなことを思いつつ、気持ちを落ち着かせた。
(荒れた道)
稜線部に出て、ホッとする。
(サラサドウダンツツジ)
(ゴゼンタチバナ)
(遠望の鳥海山)
開放感に浸りながら、山伏岳山頂に到着。
(山伏岳山頂)
(鳥海山のアップ)
(ジャンダルムと神室連峰)
眺望を楽しみながらノンビリと30分ほど休憩。
次の高松岳に向かって移動開始。
下りの道は、やはり所々が泥濘(ぬかるみ)。
すべって転ばないように注意しながら先に進む。
(こういう箇所もある。)
(ぬかるんだところにはミズバショウ。かなり葉が大きくなっている。)
中間部のピークに来ると、快適な道になる。
そしてまた下り。
道に張り出した枝をくぐるように歩く。
段差のあるところを上がる際に、何回か頭を枝にぶつけてしまった。
(ツバメオモト)
(サンカヨウ)
(シラネアオイ)
また上りに入り、ほどなくして高松岳の避難小屋に到着。
すぐに右に折れて、山頂に向かう。
ミネザクラ、ミネカエデやサラサドウダンツツジの灌木の道は、乾いていて気持ちがいい。
ヘアピンカーブの所には、サンカヨウとシラネアオイがとてもきれいに咲いていた。
虎毛山との縦走路分岐に来て、かなり下ってまた上りとなるその距離の長さに「ここを歩くのは大変だ!!」とつくづく思った。
(虎毛山縦走路:中央が虎毛山。この画像では判別できないが、肉眼でも山頂の避難小屋を確認できる。)
高松岳山頂に到着。
ここでもノ~ンビリと45分の昼食休憩。
(高松岳山頂)
(これから向かう小安岳の方角と栗駒山)
(この道を行く。)
避難小屋わきから下りに移る。
道は乾燥していて歩きやすい。
(ウラジロヨウラク)
(ハクサンチドリ:数は多く見かけなかった。)
やはりこちらの道も、何カ所かぬかるんでいた。
さらには、ササが倒れこんだりして、歩きにくいところも多かった。
(中央が高松岳避難小屋)
(石神山への分岐点)
いよいよ、小安岳を目指す。
(ムラサキヤシオ)
(小安岳への案内標柱)
(ミヤマキンバイ)
山頂到着。
(小安岳山頂)
(やっぱり目が行く鳥海山の方角)
ここでは立ったまま少し休憩し、退散。
すごい数の虫(ハエ)が寄ってきてたまったものではない。
(一応、虫よけスプレーは使っているのだが・・・。)
先の案内標柱からの道は、かなりの傾斜。
(下りてきた登山道と水場のあるところ:右側奥にパイプが設置され、水が流れ出している。)
(また続く斜度のきつい道)
(タニウツギ)
踏み出そうとする地面を見て、ギョッとしてしまった。
どう見ても登山靴の跡ではない。
人の握りこぶし大ほどの丸い足跡が残されている。
こちらにもクマがいるのか?!
またまた鈴を大きく鳴らし、笛を吹いて通り過ぎた。
ひと気のない山の単独行は、やはり大変だと実感した。
(前回撤退した場所:道は左に曲がっていくのを、残雪のため直進してしまったようだ。)
(こういう箇所に雪が残っていて歩きにくかった。)
(泥湯登山口まで1.7kmとある標柱:まだけっこう残距離がある。)
(ロープがなかったら大変な道。この手前はもっと道が細い。)
(ブナ林に入って一息つく。)
(新湯:前回は雪解けで沢水が豊富だったが、今回はなんなく渡れた。)
通湯パイプに沿うようにして歩き、登山口に出てきた。
(中央に、川原毛に続く舗装道が見える。)
(高松岳は標高の割にはハード山とあり、納得。)
この泥湯登山口から駐車地点までは、1.3km、約100mの上りとなる。
舗装された道路なので、山道よりははるかに歩きやすいが、疲れた体には少々つらい。
途中休憩しながら、車まで戻ってきた。
(駐車地点に戻りながら、泥湯温泉駐車場を見下ろす。)
※総歩行距離 12.6km 累積上昇高度 1,009m 累積下降高度 1,030m
※2013.10.19に登ったときの様子は ⇒ こちら
※前回2017.05.20のときの様子は ⇒ こちら
今日のコース
まだタケノコが出ている季節なので、タケノコをあさってたのかもしれません。
ところで昨年は山伏岳~高松岳間は笹薮が酷かったのですが、今回は刈払いはされていたでしょうか?
本当に良かったです。
山を歩きながら、「秋田のフキやタケノコは北海道モノと同様になぜ大きいのだろう? クマも食いたくなるはずだ」なんて考えてしまいました。
山伏岳~高松岳間のササは、そうしっかりしたものではありませんが、刈り払われていたようで苦にはなりませんでした。(高松岳~小安岳分岐間は、荒れ気味で歩きにくくなっています。)