旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

ふるさとは遠きにありて

2023-01-20 23:18:22 | 日々雑感
(水沢江刺付近から遠望する焼石連峰)



1月16日(月)に入院し、翌17日(火)10時から全身麻酔で右手手術。
麻酔明けのボーッとした状態でのところに、家族からLINEが入った。
母が亡くなったので、18日(水)午後に花巻に帰るとのこと。

また担当医師からは、他の病棟でコロナ感染者が増えている(受入れもあり)のでより早い退院を勧められた。

当初の想定では、術後順調であれば19日(木)退院だったが、急きょ18日に変更。
慌ただしく退院手続きなど済ませ、我が家には午前中に戻った。
これまた一息つくことなく花巻に向かう家族を送り出す。

そして19日。
今度はわたしが、朝5時半前に家を出て徒歩で二子玉川駅へ。
田園都市線・半蔵門線~丸の内線、東北新幹線(はやぶさ)に乗車。
右手(利き手)が使えないのはきわめて不便。

北上する車窓から雪に覆われた栗駒山が見えてきたら、胸の奥でジッと熱いものがこみあげてきた。
ホント、そうだと思う。

 生まれ故郷の栗駒山は富士の山よりなつかしや   白鳥省吾





(わが郷里は、この栗駒山のふもと)


新花巻駅ではすでに来ていた迎えの車を横目にこちらはまずは久しぶりの賢治広場へ直行。







12時からの告別式、14時からの火葬などに参列し、北上駅16時30分発の新幹線に乗ってこれまた慌ただしく独り東京に戻ってきた。
いわゆる”とんぼ返り”。

奥羽山脈の焼石連峰、栗駒山などが夕陽に染まっていく。
空には、ねぐらに帰るマガンの群れ。
(宮城県北には、ガンや白鳥の飛来地として有名なラムサール条約指定湿地の伊豆沼・内沼、蕪栗沼・周辺水田、化女沼(けじょぬま)がある。※このほか、海藻(藻場)として志津川湾が指定されている。)

南下する列車の窓からそれらを眺めていると、「お前もそのこころもて」との思いが湧いて来た。



(一ノ関駅付近から望む栗駒山)


     ふるさとは遠きにありて思ふもの
     そして悲しくうたふもの
     よしや
     うらぶれて異土の乞食(かたゐ)となるとても
     帰るところにあるまじや
     ひとり都のゆふぐれに
     ふるさとおもひ涙ぐむ
     そのこころもて
     遠きみやこにかへらばや
     遠きみやこにかへらばや  
                       室尾犀星 『小景異情』から


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