旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

クモ(蜘蛛)は苦手だ。

2006-07-09 02:12:43 | 日々雑感


子ども時代に読んだ本の内容が強烈だったからかもしれない。
クモ(蜘蛛)は苦手だ。その本の名は、芥川龍之介作『蜘蛛の糸』。

(あらまし)
地獄の血の池で、責め苦にあえぐ かん陀多(かんだた)。
その大悪人も、生前一つだけ良い事をした。
道端をはっていた小さな蜘蛛を踏み殺さずに助けたのである。

それを知った御釈迦様は、極楽の蓮池から遥か下にある地獄の底へ、蜘蛛の糸をおろされた。
これに気がついた かん陀多(かんだた)は、その蜘蛛の糸をよじ登り、一人だけ助かろうとした。
その途端、また地獄の底に真っ逆さま。


自分が死んだらどこに行くのか、それは分からない。
でも、やっぱり地獄は嫌だ。

一匹のクモを助けた かん陀多(かんだた)も、一度は地獄から脱け出すチャンスをいただいたのではないか。
それなら、もっとたくさんのクモを助けたらどうなるだろう。
助けた数分とは言わないまでも、きっとそれなりにチャンスは多く与えられるかもしれない。
そんな気持ちが、いつも自分の頭の隅に残っているようだ。
家の中に迷い込んできたクモは、必ず優しくティッシュペーパーに包んでは庭に放してきた。

自分に迷惑をかけないでいてくれるようであれば、こちらとしても手は出さない。
それがわたしの流儀。

しかし、いつの間にか車庫の中に、巨大かつ精緻な糸の造形が出現。
その巣の主(あるじ)は、糸のトンネルを巧みに利用し、まさに神出鬼没。

ところがこちらは、車の乗り降りにも支障が出る始末。
はてさて、どうしたものかと悩みつつ、今日は記録の写真を撮ってみた。



・芥川龍之介作『蜘蛛の糸』をもう一度読んでみたい方は、こちらにどうぞ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html
(出典:インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/))

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