イラストレーションや挿絵と呼ばれる絵は、描く人により個性豊かなイメージがあります。描く画材によっても雰囲気はかなり違う物になります。当然描くモチーフやテーマによってもイメージは変わります。
イラストレーションを描く人も非常に増えた時期がありましたが、ここ最近はパソコンの導入により、殆どの人が直接パソコンによる作業が一般的になって来てしまったようです。パソコンのデータに最初からなっているので、後の処理は効率的に行えて便利ではあります。しかし、パソコン化ゆえに、タッチや質感も似た感じの物が増えてしまった気がします。
イラストレーションは本来写真では表現できないものを描いたり、より人間的なイメージを伝えたい時に使われて来たのですが、まったく色むらの無いキレイなだけの絵や、人間的な質感のまったくない線で描かれたイラスト作品が目につきます。やはり機械の方に人間が使われてしまっているようでは本末転倒だと思います。
唯一手仕事が基本のイラストレーションが機械化されてしまうのは残念ですし、デザイン的には大きな問題です。100%の手描きでなくても良いですが、基本は手作業が活きていて欲しいものです。
人の温もりのある絵が現在デザイン界からどんどん消えてしまっている様に見えます。
まぁ~しばらくすれば筆の表現が戻ってくるのでしょうが、それまでイラストレータのみなさんが、頑張っていて欲しいものです。そのせいか、純粋絵画や書道の文字がこのごろやたら新鮮に見えて来ます。人間の心を捉えられるのは、やはり一筆一筆に心のこもったものなのでしょう。