デザイン案は、本来ラフスケッチという大ざっぱな絵で
確認しながら仕事を進めた物です。
いきなり完成品を提出した場合、一つでも修正が入れば完全作り直しは
常でした。しかし、現在ではパソコンの導入により
逆に手描きのスケッチが無くなってしまい、その結果たえず
修正作業を要求されるようになって来ています。
ラフスケッチこそ、依頼主と制作側の意向を確認する重要な働きを
して来たものと言えます。でも、いまは一見すると完成品レベル
のものを提出する事が多く、依頼主サイドではまったく想定外の物が
上がって来て慌てる事があるようです。
極端にいえば、レストランに入ったら、メニューが無く
席に着いたらいきなり料理を出されたような衝撃でしょう
これでは、誰しも不安になり、呆然としてしまうのではないか?
つまり、ラフスケッチとはお店のメニューみたいな物で
それ自体を楽しみながら、時には質問したりして
確認する大切な、絆をむすぶ重要な物と言えます。
しかし、、パソコン導入により、完成品に近い物が出来てしまうため、
依頼主とのトラブルを良く耳にします。
さらに仕事のやりとりもメールで澄ませてしまうケースが多く、
直接の会話がなくなり、思わぬ誤解が生じる事が多いようだ。
パソコンにより作業が合理化されて一見よい事が増えたが
その反面、大切な基本作業がおろそかになっているようである。
依頼主の意向を充分に確認しないで作業を進行してしまうと
とんでもない遠回りになるのがデザイン作業です。
クライアントとの最初の打ち合わせがしっかり出来た時は
結果、良いデザインが上がるのは今でも変わりません。