パソコンがデザイン作業に導入され、はや数十年経っています。
最初の導入時は、一つ一つの作業は感動的な物でした。
色を塗るのにも一瞬で行えました、しかも絵の具が無くなる事がありません、
色むらも無く、むしろ色ムラを出す方が遥かに難しい作業でした。
今まで使っていた定規やコンパス等すべて不要です。
逆に言えば、あれほど必需品だったものを使わない作業は
マウスを持ったまま考え込む時がしばしばありました。
段々慣れてくると、アナログ感覚とデジタル感覚という
考え方が重要である事に気がつき始めました。
作業はデジタル化により、手仕事では考えられない
処理速度を実現しました。しかし、段々それが当然となり
仕事の納期はどんどん短縮されて行きました。
それと同時に、アイディアをねる時間も短縮されてきました。
パソコンによるデザインはネット社会を迎えその流行性も
短時間でめまぐるしく変化し始めました。
今では、数ヶ月で古くさいイメージになってしまうほどです。
これらは、デジタルデザインの特徴ではなかろうか?
昔のように手仕事時代では、まねする事が困難でした
しかし、デジタル化のデザインはマネをする事は、さほど
難しい物ではなくなっている。しかし、マネは所詮マネです
それから進化したり変化させることは難しい物です。
時代のニーズとともにデザインが進化して行くのは
当然なことです、しかし、デジタルの世界に浸かりすぎていると
新しい発想や着眼点を探すのには、パソコンには疑問を感じてしまいます。
操作から生まれてくるものは、単なる加工品とも言えるものであり
やはり、新しい発想はキーボード以外の実体験から
生まれてくる物ではないだろうか!?
パソコン時代のデザインは増々個性が失われてしまっている気がします。
同じソフトから作りだされるものは、似てしまうのは当然かもしれません
でも、人間が人間にアピールするものには独自性がなければ
伝わらないのではないでしょうか?今後はますます個性的なデザインが
大切なのではないでしょうか?機械生産されたハートの無い物は
飽きられるのが早いのも当然な事だと言えましょう。