2021.06.11 新規
この記事では、いつもの技術論や事実検証などではなく、深田萌絵さんが何をしようとしているのか、どういう層が深田さんを支持しているのか、についてマーケティング的な目線で眺めてみる。
なお、これは統計的な調査に基づくものではなく、観察による特徴の抽出と分析である。
1. 深田マーケティング戦略1 ターゲット層
2. 深田マーケティング戦略2 商品ポジションの変化
3. 深田マーケティング戦略3 言論空間のシフト
4. 深田萌絵さんの支持者層と期待感
5. イデオロギーポジションマップ上の深田萌絵さん
6. 桜井誠 vs 深田萌絵
7. まとめ:深田萌絵事件の対立構図
《1. 深田マーケティング戦略1 ターゲット層》
ここ数年、深田萌絵さんは「女性/起業家/最先端技術」という看板を用いて、そこに「中国スパイに技術を盗まれた」「日本がやばい」「半導体産業を守れ」というような主張を乗せて言論活動を強めている。
この言論は一体誰に向けたものなのか、そして誰が共感しているのか。
深田さんへの同調者をざっと観察すると、文面などからは「高齢者層」「保守志向層」の傾向が見て取れる。また、一部には高齢者層っぽくない人もいるが、立憲/共産系の野党支持者層はいなさそうである。
深田さんから見たターゲットもこの層になると思われる。
また、深田さんは最近は寄付やら会費ビジネスに奔走しているようだから、当然ながらターゲットは余裕資金のある人ということになる。ただし、技術的素養が高いと引っかかるはずはないし、それは深田さん自身もわかっているだろう。
《2. 深田マーケティング戦略2 商品ポジションの変化》
前項は昨今の話だが、ここ10年くらいのレンジで見ると深田萌絵さん、あるいはRevatron社の商品ポジションが変化している。
元々は后健慈の技術トークを前面に出した投資金集めが主体で、それに加えて試作機などの販売を行なっていたようである。
しかし、近年はRevatron社の存在感は消え、深田さん自身の政治的主張が前面に出てきている。
深田さん自身がこう書いている。
私は言論始める予定はありませんでした。 筆を取らざるを得なくなったのは、中国台湾の闇が引き起こした事件に巻き込まれたからです。
http://archive.today/yobeX
http://archive.today/yobeX
http://archive.today/fCg2t(2021.4.25)
リンクされている記事のタイトルは「【事件サマリー】総集編 藤井一良中国スパイ事件」で、記事の日付は2016年08月28日。
1千万事案の藤井氏が訴えたのが平成25年(2013年)
浅田麻衣子 藤井一良 平成25年(ワ)第31235号、平成27年(ワ)第2695号 by rescue_fujii
https://link.medium.com/BUQQMC2gYfb
https://link.medium.com/BUQQMC2gYfb
深田さんのブログにそれが登場するのが2014年3月から。
絶望の裁判所 深田萌絵 本人公式ノンポリ★ブログ
http://archive.today/D6fQq(2014-03-07〜)
http://archive.today/D6fQq(2014-03-07〜)
契約書に無条件の返済が書かれているのだから、返済するのが当たり前。「損害発生時には保証金を弁済に充当する」というような文言はどこにもない。
深田萌絵(浅田麻衣子)氏の会社と藤井一良氏の会社との業務提携に関する契約書|はっちーの兄
https://note.com/fukada_moe/n/ne97a768e9090
https://note.com/fukada_moe/n/ne97a768e9090
だからこそ、裁判所が仮差し押さえ命令を出している。
深田萌絵(浅田麻衣子)、三菱東京UFJ銀行との裁判経過を誤魔化していた
https://www.jijitsu.net/entry/fukadamoe-mitsubishi-saiban
https://www.jijitsu.net/entry/fukadamoe-mitsubishi-saiban
こんなものは「中国台湾の闇」でもなんでもないが、深田さんの創作はこの頃から暴走していく。「中国台湾の闇」を抱えているのはむしろ深田萌絵さん自身である。
ところが、この創作的暴走が「中国スパイに技術を盗まれた」「日本がやばい」「半導体産業を守れ」というストーリーにつながり、これがカネになると気づいたものと思われる。
2019年からは、そのストーリーでの著作活動が始まる。
日本のIT産業が中国に盗まれている 深田萌絵 (2019/1/17)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MJPJZD6/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07MJPJZD6/
そして、この商品ポジションの変化に伴って主役が后健慈から深田さんに交代し、その反映なのか米Teklium社のCEOも后健慈から深田萌絵さんに代わった。
《3. 深田マーケティング戦略3 言論空間のシフト》
しかし、観察していると深田萌絵さんの言論空間も急速に変化しているように見える。
元々はブログあたりから始まり、書籍、動画と言論空間を広げてきたが、最近は閉鎖空間での有料会員ビジネスに奔走しているようである。
2019年からはネット民による検証活動が本格化し、さらに今年2021年からは検証する人の層がより専門的かつ分野も広がってきたから、デマはたちどころにバレてしまい、精緻に解説されてしまう。
それに伴って、目が覚める支持者も増え、批判する側が増えている。
顧客数が減れば、売り上げの絶対額を確保するには客単価を上げる必要があり、それが昨今の深田さんの言論空間シフトにつながっているものと思われる。
今後は、残っている少数の熱心な顧客に高い客単価を払わせるため、ますます言論と行動が過激化し、先鋭化することが予想できる。既にその兆候がある。
《4. 深田萌絵さんの支持者層と期待感》
次に、深田萌絵さんを支持している人たちは、深田さんに何を見ているのか。
まだ深田さんの支持者として残っている層は、政治志向としては保守だが、情緒/事実という軸を置くとすれば、情緒側にいる。どうやら、深田さんのパフォーマンスや情熱に共感しているようであり、逆に事実関係の検証には見向きもしない。
では、そのような支持層が深田さんに何を見ているのか。政治家になって欲しいと書いている人がちらほらいる。逆に、Revatron社の今後の活躍に期待してる人はいない。
そして、私などからすれば奇妙なことに深田さんを「信用できる」としている人を複数見かける。逆に、我々の緻密な検証結果(各種ソース付き)は「信用できない」そうである。
「事実を見ない」人たちが「情緒」に基づいて深田さんを「政治的に」「信用できる」と判断しているのだから、これはかなり厄介である。
世の中にはそういう人たちもいるのだと受け止めるより他に仕方ない。
ちなみに、深田さん本人も政治家への道を模索していたようである。集合写真の左側中段。
ただ、あれだけ自民党議員に喧嘩売ってれば、採用はないだろう。
女性未来塾特別講座女性候補者育成コース開講式・第一回~第1部 自由民主党(2020.09.01)
http://archive.today/FXK9m
http://archive.today/FXK9m
それにしても、「日本を守れ」と叫ぶ伝統保守風の一部の人たちが深田さんを信用し期待を寄せるのは、私からすれば奇怪にしか見えない。もう少し人物像をよく見たらどうなのか、と思う。
《5. イデオロギーポジションマップ上の深田萌絵さん》
深田萌絵さんが政治家を目指すなら、以前書いた記事『イデオロギーポジションマップ』上で、深田さんの立ち位置を見てみる。
すると、大雑把には右上の象限となる。
深田さんの主張は事実に基づいていないので必然的に上半分となり、少なくとも表面的には愛国者を装っているようだから右半分となる。(なお、上半分にいる人たちが全てデマだと言っているわけではない)
このエリアにはかつては「次世代の党」がいた。また、原初的ネトウヨとか、「日本第一党」もこの付近にいる。
ただし、このポジションは表面的な観察に基づくものであって、深田さん本人の本当の政治志向がそこにあると言っているわけではない。例えば、街宣右翼も彼らの本心に関係なく同じエリアにいる。
著名人としてはこの右上の象限には、かつてなら「石原慎太郎」、それから最近あまり名前が登場しないように思うが「桜井誠」らがいる。とは言え、近年はこの象限に政治的スタープレイヤーが不在。
それで、深田さんを支持してる人のプロフィールを見ていくと、日本第一党支持者がちらほらいる。次世代の党の解党を嘆いていた人もいた。やはり、仲間に見えているものと思われる。
つまり、この層には右上象限にいる誰か目立つ政治的スタープレイヤーの登場が求められていて、その期待感が深田さん支持の背景にあるように思う。
さらに言えば、深田さんと「日本維新の会」はどちらが先に喧嘩売ったのかは知らないが、橋下徹・元代表あるいは足立議員と因縁が続いている。
その両者の政治的立ち位置をイデオロギーポジションマップ上で確認するとかなり対極にいる。そのために一部の支持者が便乗している気配がある。便乗組の深田支持者から見れば、日本に害なす者は許せないという情緒であり、半導体やら契約書(藤井氏1千万事案)の事実関係などどうでも良い、といった様子に見える。
ただ、この右上象限ポジションで政治家として成立し得るかというとなかなか難しいと思う。論理空間上は確かにそこにエリアはあるのだが、現に次世代の党は消滅し、日本第一党も現職の政治家を擁していない。このエリアの有権者が少なすぎるものと思われる。
なお、私もすっかり忘れていたが、次世代の党は、当時「日本維新の会」の共同代表だった石原慎太郎氏とその支持者グループが維新を割って誕生した新党である。
日本のこころ (政党)
https://ja.wikipedia.org/?curid=3020232
https://ja.wikipedia.org/?curid=3020232
となれば、2点指摘したい。
(1) 「元・次世代」支持者の「維新」に対する確執(の可能性)
(2) 旧・民主党が分裂したり、保守寄り議員が自民党に合流したのもそうだが、イデオロギーポジションマップ上で距離があるグループは必ず割れる
《6. 桜井誠 vs 深田萌絵》
では、深田萌絵さんが抱える諸問題は棚に上げて、政治家として出馬するならどうなるのか。
深田さんも知名度はありそうだから、政治的立ち位置が近似する「桜井誠」氏と Google Trend で比べてみる。
選挙時期ともなれば比べ物にならないが、平時だと特に最近はトントンくらいである。
目玉キャラという意味で、日本第一党から深田さんに声を掛ける展開も想像できなくもない。(もちろん私は日本第一党側の意向など微塵も知らないが。)
ただし、公人ともなればマスコミも動き出すだろうから、身辺調査は今のレベルでは済まなくなるだろう。
《7. まとめ:深田萌絵事件の対立構図》
以上の議論をまとめると、次のようなことが見えてくる。
深田萌絵さんも各方面から多角的に解析・批判されてお困りなのでしょう。そのためか、同調者作り(顧客開拓の意味も)に熱心である。
その際に、上図に書いたように、主に次の2点の誘導工作をしてきている。
▶︎以前の「投資ビジネス」の暗部から目を逸らさせる動き
▶︎虚構vs事実の対立軸に、伝統保守vs維新をぶつける動き
▶︎虚構vs事実の対立軸に、伝統保守vs維新をぶつける動き
検証する側はこういった誘導に乗ってはいけない。焦点を絞るべきはここである。
★ 以前の「投資ビジネス」の暗部
★ 虚構vs事実
★ 虚構vs事実
おまけ
深田萌絵さんの名言。
『全てがスレスレでも捏造でも合法でなければ、彼らが危険なのです。』
文脈的にはイマイチだが、事件の真相を実に的確に表現している。「彼ら」とは本当は誰を指すのか。
《改版履歴》
2021.06.11 新規
(適宜、追記します)
《関連記事》
深田事件の考察一覧
https://blog.goo.ne.jp/zf-phantom/e/94aa92677310e83bfae5d3ce982ffeff
深田萌絵事件リンク集
https://blog.goo.ne.jp/zf-phantom/e/bd2c799f63c376acf2054713fbc93cdc