ギラン・バレー・症候群(GBS)闘病記の2回目(最終回)です。
立位そして歩行(発症から18週~21週)
平行棒の歩行訓練は腰痛の危険をはらんだ患者だったので、PTの先生は非常に神経を使ったそうです。腰に負担をかけず立位の筋力を付けるために、チルドテーブルでのスクワットが3週間続きました。ハイハイができるようになりました。長足装具のロックを外しても膝折れしないまで筋力がつきました。
そしてとうとう車椅子から平行棒に捉まって立ち上がりが出来ました。それから1週間ほどで平行棒に掴まり、ふらふらと歩きました。周囲の人からの「立てば歩ける」という言葉は本当でした。歩行訓練は尖足防止と足首補強のサポーターを付け転倒しないように気をつけました。足首に比べつま先が全く動かないので、イメージトレーニングを自主トレに加えました。仕事でパソコンは必須なのでノートPCを取り寄せキーボード操作を開始しました。
ひたすら歩く(発症から22週~26週)
足首にサポーターを付け暇さえあれば病棟の廊下の壁にもたれスクワットしました。週をおって足首に体重に負けない力がついてくるのが分かりました。PTはロフストランド杖の歩行訓練を始めました。リハビリの単位だけでは時間が足りないので、平行棒で自主トレをしました。OTは基本動作からネクタイ締め、ワイシャツのボタン留めと、職場復帰を前提とした内容になりました。食事は意識してスプーンを止めて箸を使うようにしました。手は使うほど良くなった感がします。紙コップも変形しなくなりました。気がつくと手の痺れは指先を残すだけとなっていました。
3回目となる定期検査の結果に期待しましたが、神経伝導は反応がなく腱反射は消滅したままでした。それでも歩けるのは運動機能がリハビリによって回復したとの診断でした。
退院に向けて(27週~32週)
つま先が上がるようなって、歩きやすくなりました。行動範囲が広がるにつれ、ロフストランド杖はかさばるようになったので、通常のグリップ杖に変更しました。平坦な場所は歩幅を大きくとりました。手すりを伝い階段の昇降の練習をしました。職場にはエレベータが無く、階段の昇降は復帰の条件でした。生活面はほぼ自立できたので、退院して車の運転の練習と自宅療養することにしました。
現在(発症から1年)
月に一度の診察と外来リハを受けています。薬を服用していますが、足首から先は痺れと冷えの混在した感覚が続いており、まだ走れません。そして何より想像以上の疲れです。体力は発症前の6割といったところですが、デスクワークはフルタイムを無理せずこなせるようになりました。
リハビリがとても大事ですが無理して頑張らずにマイペースで前向きに励んでください。
(平成21年3月 記 )
※リヒカ(離被架):ベッドに取り付けて、病人の患部に布団などが直接触れないように支える枠。