ずーみんのはがき絵七十二候

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第60侯 橘始黄

2021-12-02 05:53:48 | デザイン書芸

 七十二侯中第六十侯「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」という字をデザインして書いてみました。

 「橘始黄」は12月2日から12月6日に当たります。橘の実が黄色く色づいてくる時候です。

 

 

 ここでいう橘とは、かんきつ類全般を指す言葉だったようです。韓国語でもミカンを「귤(キュル)」と言いますが、これは「橘」という漢字語でしょう。蜜柑の漢字語である「밀감(ミルガム)」という言葉もあります。

 冬でも葉が青々として枯れない常緑樹であるので、かんきつ類は「めでたいもの」として扱われてきました。正月飾りにも使われ、鏡餅の上にちょこんと載っています。葉の付いたものを使いますね。家が代々栄えるようにと「ダイダイ」を使うことが多いようですが、もともとかんきつ類には「永遠」とか「不老長寿」「不老不死」の意味合いがあるので、品種にこだわらなくてもよさそうです。

 古くは古事記や日本書紀にも登場します。長寿を願った垂仁天皇が田道間守に命じて常世の国から「ときじくかぐのこのみ」を採ってこさせようとしますが、田道間守がやっとの思いで持ち帰った時にはすでに天皇は崩御していて、田道間守は嘆き悲しみ、泣き叫んで死んでしまうというのです。この時、天皇の陵にお供えした実から橘の木が生えたと言われています。

 この説話は、古代の菓子づくりの発祥を表しているという説があり、「ときじくかぐのこのみ」の名を付けたケーキ屋さんや高級フルーツ専門店などがあるのはこの説によるのでしょう。また、田道間守を「お菓子の神様」としてお祭りしている神社もあるようです。



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