ずーみんのはがき絵七十二候

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くわい

2022-01-02 00:38:54 | 日記

(「ねこやなぎ」からの続き)

 我が家では「くわい」も作っています。お正月のおせち料理の煮しめに入っている、芽が特徴的なあの野菜です。

 我が家では米も作っているのですが、くわいはこのあたりで米を作っている家ではたいてい育てている野菜です。

 山峡(やまかい)の土地である我が家の田んぼはいわゆる棚田で、形が矩形ではありません。そのため田植え機などの機械が使えず、田植えも稲刈りも人の手でしています。田植え機を使う場合は稲の苗を田植え機にセットするために長方形に整える必要があり、そのため、長方形の苗床に籾をまくことになります。ところが我が家のように棚田に田植えをする場合、田植え機は使いませんから、田植えのための稲の苗は田んぼの片隅で育てることとなります。

 この場所を「苗代場(なえしろば/なわしろば)」という意味でしょうか、私たちは「なしろば」と呼んでいます。「なしろば」で育てた苗を田植えで使ってしまった後、「なしろば」を遊ばせておくのは惜しいので、くわいを植え付けると時期的にちょうどいいわけです。何が時期的にちょうどいいかというと、お正月に向けて出荷時期がちょうどいいと、こういうわけです。

 

 

 「芽が出る」ということから立身出世につながると言ってくわいは縁起物として扱われます。はがき絵にも「芽出たい」と書き添えました。お正月のお節料理の煮しめにも必ずと言ってよいほど入っています。逆に言うとおせちでしかくわいにはお目にかからない、とも言えますが。まあ、なにはともあれ正月前のくわいはよい値で扱われます。

 くわいにも花が咲きます。黄色い花が咲く種類もあると聞きましたが、この辺りでで育てているのは皆、真っ白な花が咲く種類です。花弁に見える部分が3枚です。珍しいと思います。

 我が家では煮しめにもしますが、炭火でじっくり焼いたものが私は好みです。プシュウっと湯気が噴き出すまで焼いて、お塩をつけていただきますと、ほろ苦さにお酒が進みます。こんな食べ方はくわいを作っている家しか知らないと思いますが、いかがでしょうか。



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