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ドイツにおける園芸療法(国際サミット報告書から)

2008-03-17 13:50:52 | 園芸ケア
【園芸療法国際サミット】
2004年6月5日、
兵庫県において、「園芸療法国際サミット」が開催された。

参加国は、オーストラリア、カナダ、ドイツ、韓国、イギリス、アメリカ、日本。

院生のQさんから、この会議の報告書があると聞いたので、図書館にお願いしていたところ、
『園芸療法国際サミット報告書』(2004年9月)
兵庫県が刊行しているものを大学の図書館が寄贈を受けた。

*写真は、その表紙。

編集は、兵庫県立淡路景観園芸学校である。

【ドイツ園芸療法協会】
各国代表からの基調報告のうち、ドイツからの報告(p44-p47)を紹介します。報告書は、日本語と英語を対比した形で作られています。

ドイツからは、コンラッド・ニューバーガーさんの報告です。

【歴史】
スペインやベルギーでは1400年あたりから始まった。
1800年代には、農業・造園が精神障害の治療に効果があるという研究が行われた。

1825年から1858年、ジャコビ医師によって、
ボンの近く、ジークフリードに精神病の患者を治療するためにガーデンワークが取り入れられた。

1865年、大学病院で精神医学が実践される。

1893年、アルブレヒト・パエツ『精神病院の農作コロニー』
→後に、アメリカなどの作業療法のさきがけとなった。

医師・精神科医が薬のように処方しなくてはならない、という考え方。
アルツシュルビッツは、ヨーロッパの精神病院のモデルとなった。

【自然との共生】
作業療法よりは効果があると考えられた。園芸療法の方がいろいろな活動をしなければならないので。
植物と自然を共有している、という考え方。

【ドイツの園芸療法】
200箇所のコミュニティ
1500箇所の「緑の作業所」(保護作業所)
400箇所の病院・リハビリセンター:作業療法の一環

ドイツ園芸療法協会 1989年にできた園芸療法の作業グループからできた。
非営利団体、会員は約100人。

【課題と評価】
・ドイツ政府の労働局に、「園芸療法士」は掲載されているが、専門職としての正式な教育はない。
・病院では、資金的な制約で園芸療法は発展していない。
・心理療法の効果と匹敵するという研究成果が発表された。

【国際的なネットワーク】
アメリカやイギリス。

日独農業交流協会(2002年から、日本の専門家が毎年、渡独)
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