介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3917号 「はじめに3歩、別れに7歩」

2010-09-06 21:38:18 | 認知症
今日は、台風が近づいて強風の中を、薩摩半島の南端にある老人保健施設を訪ねました。このところ、シリーズでこの地域を訪問してきましたが、今日が最後です。

老人保健施設に入ったすぐのフロアーの真ん中でピアノを弾いておられるのが今日インタビューするN先生。
椅子が2列で40ぐらいはあっただろうか?1時半の開始ですがすぐに一杯になった。

その老人保健施設、近所のグループホーム、特別養護老人ホーム、ご近所に住んでいる方など、車椅子の方も数名。一番高齢の方で94歳とか。ざっと見たところ、80歳代の方が多い。女性の方が圧倒的に多い。

真ん中のホワイト・ボードに「貯筋運動」といったことが書かれてあります。

貯筋運動

鹿屋体育大学学長 福本哲夫

音楽に合わせて、軽い運動が幾つか続けられる。
ハーモニカを吹いている男性は83歳。
N先生は、ダンスがご専攻で、長く鹿児島県下の高校で体育を教えてこられた。
4人の女性の方が前で体操の見本をやります。
よく揃っていてN先生との呼吸もぴったりでしたが皆さん教え子とのこと。

ある女性の参加者が、マイクをもって何か歌うしぐさ。満面の笑みでとても嬉しそうです。よく観察すると、認知症が進んでいるようです。みんなの前で、マイクを持ち、N先生と一緒に歌を歌うしぐさを続けている間の嬉しそうな顔。30分で休憩が入り、スポーツドリンクを飲む。休憩後20分ほどで終了しました。そのとき、わかったのですが、そのマイクを持って前で出て歌うしぐさをした女性は、(その老人保健施設の)自分の部屋がわからないという。スタッフがエレベーターの方へ案内して付き添う。

隔週、このようなスタイルで行われる。
歌、体操、おしゃべり。
すべてボランティアで行われ参加者は無料。
先生が、今日のために工夫されたショート・スピーチが拍手喝采。

これまでも沢山の老人ホームやディサービスで「老人レク」をみてきましたが、
今日のような、自由で、かつ規律があって、楽しそうなものは初めてです。
私も、同僚のA先生も、思わず、皆さんに合わせて、肩を叩いたり、手を上にして輪を描いたり。

終了後、1時間ほど、インタビューに入りました。
その内容は、いずれ報告書にまとめるのですが、「相手のお話を聞くこと」という私達の今度のルールによって、ずっとお話を聞きました。

固く簡単にいえば、「地域で認知症をケアする」といったところです。


先日うかがった特攻基地万世飛行場のことも話題になりました。

「はじめに3歩、別れに7歩」

これは、この地方で昔からいわれてきた礼儀の奥義で、
お会いしたときは、相手に3歩近づいて挨拶を。
お別れには、7歩一緒に歩いて、お別れする。

N先生が、今日出席した高齢者の皆さんとの挨拶、そして、私達2人への挨拶もまさにそのような「はじめに3歩、別れに7歩」でした。


*今日は、写真は撮りませんでした。これは、先日撮っておいた竹田神社です。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見事なことばです。 (岩清水)
2010-09-06 21:56:54
すごいですね。
この言葉。
まさに奥義。
実行させていただきます。
(できるかなと不安ありますが)
日本人の奥ゆかしい振る舞い (JUNKO)
2010-09-06 23:04:05
素敵な言葉ですね。
人を思いやる心に溢れています。
名言集にいただきました! (げんき)
2010-09-07 09:29:00
このような言葉を心がけたらおのずと態度も変わるんじゃないかと
精神論者?の私はそう思います。

私も「施設見学」というか、地元民による地元施設の「第三者評価」を
したいと思うことがあるのですが、どう大義名分を
作ろうかと悩むところです。

先生は、もちろんご研究の一環ですよね。
インタビュー記事のブログ (bonn1979)
2010-09-07 10:09:05
岩清水さん
JUNKOさん
げんきさん

コメント有難うございました。

この記事は
あらかじめブログに書く予定でなかったので
写真も撮らず
お名前も伏せています。

ですが
ほんとうに含蓄あるお話で
ここに紹介したのはごく一部
というわけです。

帰りの車中で

「インタビュー」シリーズをブログで
書いてはどうか?

と思ったほどです。

残念なことに
Nさんは
パソコン世代ではないというので
コメント部分を含めて
いまコピーをとり
封書でお礼とともに送るところです。

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