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アメリカの医療・・経済政策の視点から

2008-03-28 13:57:09 | 医療
【アメリカには公的医療保険がない】
このことを何度かお話してきました。

今日紹介するのは、
アメリカの経済政策の特色と今後の方向を経済の専門家がまとめた啓蒙書の中にもこの「医療保険のない先進国」のことが詳しく書かれているので興味を持ちました。

中尾武彦『アメリカの経済政策/強さを維持できるか』
中公新書1932。2008年2月発行。

著者は、財務省国際局次長。アメリカ在住3年のアメリカ通であり、経済政策の専門家です。

【アメリカの経済については・・】
このブログは、経済は専門ではありません。
ですが、いわゆる市場万能主義のかたで、日本の医療の将来をアメリカをモデルとして論議する方がしばしばおられる。

そこで、
・アメリカの経済はたしかにまだまだ強い。
・だが、アメリカは、医療保険(医療費の社会化)の制度論の参考にはならない(反面教師では有る)というラインで紹介するわけです。

【アメリカ経済の特徴】
・経済のグローバル化
・金融資本の増大
・アメリカの対外援助
・存在感を増す各種のファンド
など、最近のアメリカ経済の動向に触れる。

*ただし、2007年7月に著者がアメリカから帰国し、この本を書き終えた年末までにはアメリカ経済の大きな変化が見られたことは皆さんもニュースでご存知のとおりです。

【公的医療保険はできるか】
人口の15%は、公的な保険はおろか、保険会社の運営する民間医療保険にも加入していない。
2006年の数字では、無保険者は4700万人、人口の15.7%に達している。

著者は、医療保険の問題に(経済政策の啓蒙書としては)多くのページを割いています。そして、著者の結論は、それでもアメリカには(日本や先進諸国のような)公的な医療保険制度を創ることは容易ではない、と結論付けている。p99
*自助を重視し、連邦政府の役割の拡大を嫌う伝統は非常に強い。
*すでに水準の高い民間保険には行っている人の反対
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