介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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【老人ケア研究 No.29】

2008-01-13 11:36:29 | 介護福祉
【全国高齢者ケア研究会】
高齢者ケアに関する組織・団体は数多いが、個々に紹介するのは
高齢者のケアに関して、看護職と介護職とが共同で研究しよう
という意味合いの組織です。
この両専門職が共同で政策的なこと・技術的なことを研究・発表してきた意義は大きいと思います。(私も、一応会費を払ってきました)

理事長の鎌田ケイ子氏は、看護師で、昔、東京都老人総合研究所の看護室長だったか、とにかく日本の高齢者ケアを看護学から進めてきた先覚者の一人です。

副理事長には、沖藤典子(ノンフィクション作家)と井上千津子(ホームヘルパーから、京都女子大学教授)のお二人を据えているのも、この会の特色を物語る。
ただし、5人の理事は、看護職が多いようだ(大学、特養、病院など)。

きょう紹介するのは、研究雑誌『老人ケア研究』の最新号が届き、鎌田先生の注目すべき論文が掲載されていたからです。
(第29号。2008.1.13付け。B5版、63ページ、1000円)

【介護福祉士制度の見直し】
巻頭論文(「提言」となっている)は、鎌田ケイ子「介護福祉士制度の見直しー専門性を高めるためのカリキュラムについてー」(p1-p16)です。

2007年に、介護福祉士の法律改正があったことは、専門の雑誌でも報じられていますが、この論文の特色は、
1 この改正について評価している。
2 評価のスタンスは、介護福祉士の養成にあたって、制度の解説のような事項を減らし、介護技術の部分を強化・充実した
としていること。
です。

【介護と看護】
この関係は、介護福祉士創設以来の争点でした。
今回の改正を評価する視点から、鎌田は、
「福祉色が後退したのは時代の流れであり、時代の要請でもある」(p5)といっている。
「そもそも介護福祉士の専門性は看護でいうところの生活援助に立脚していた。保助看法の「療養上の世話」である。・・援助技術の多くは、当座は看護職が蓄積したものを活用するよりなかった」(p5)
「介護福祉士の専門技術は、看護技術の一部を構成していたし、今後もそのことが大きく違ってくることはない。」(p5)

【カリキュラム】
カリキュラムの変更内容の詳細が引用されている。
この部分は、重要だが、インターネットで容易に検索できるので触れません。

話をわかりやすくすると、
「2008年度まで介護福祉コースで社会福祉概論を60時間(前期後期で4単位分)で教えていた私は、2009度からは必要がなくなる」
ということなのですね。

となると、
話は飛躍しますが、このブログの冒頭のカテゴリである「社会福祉概論」はなくなるわけです。
私自身は、身分上は「大学院専任教員」として学部はお手伝いということですから、むしろ、学部のノルマがなくなってありがたいのですが・・
「老人福祉論」や「障害者福祉論」を担当する先生方も要らないか、大幅な仕事の減少という話になりますね。

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