【概念の整理】
『季刊社会保障研究』第44巻第1号(2008年6月)
では、「準市場」と社会保障
を特集しています。このブログ、7月14日付記事で、この特集の意図に関して京極高宣のエッセイを紹介しました。
今日は、
7本の論文のうちから、もっとも理論的というか、テーマの概念整理をしている論文
圷 洋一(あくつ よういち)(日本女子大学専任講師)執筆
福祉国家における「社会市場」と「準市場」 pp.82-93
を読みましたので、簡単にまとめます。
【要点】
日本では、社会市場概念の再評価を志向しているのは、京極高宣である。
この概念の成立と内容を歴史的に追ってみると
○ ティトマス 「社会市場」論
○ ルグラン 「準市場」論
の2人になる。(ティトマスからルグランへ)
図式的にいえば、
ティトマス:社会的なものを経済的なものから防衛しようとする発想
ルグラン:社会的なものを経済的なものによって防衛しようとする発想
【感想】
重要な概念は、あたかもリレーのバトンのように、多くの研究者によって受け継がれていく。
基本的な概念なのに、やはりわかりにくい。
この論文で、ルグランが類型化を進めるのにチェスの駒のたとえを使っている。著者は、これをそのまま使って説明しているが、私自身はチェスに不案内なので、この論文の基本的な部分はわからなかった。
論文の結論部分で、「・・共的(共感的・共同的・公共的)な作用・・」といっているが、こう「的」が多くては、理解できませんね。
*参考文献には、内外の基礎文献が網羅されている。
*写真、ベルギービールのラベル(麦酒本舗にて)。
『季刊社会保障研究』第44巻第1号(2008年6月)
では、「準市場」と社会保障
を特集しています。このブログ、7月14日付記事で、この特集の意図に関して京極高宣のエッセイを紹介しました。
今日は、
7本の論文のうちから、もっとも理論的というか、テーマの概念整理をしている論文
圷 洋一(あくつ よういち)(日本女子大学専任講師)執筆
福祉国家における「社会市場」と「準市場」 pp.82-93
を読みましたので、簡単にまとめます。
【要点】
日本では、社会市場概念の再評価を志向しているのは、京極高宣である。
この概念の成立と内容を歴史的に追ってみると
○ ティトマス 「社会市場」論
○ ルグラン 「準市場」論
の2人になる。(ティトマスからルグランへ)
図式的にいえば、
ティトマス:社会的なものを経済的なものから防衛しようとする発想
ルグラン:社会的なものを経済的なものによって防衛しようとする発想
【感想】
重要な概念は、あたかもリレーのバトンのように、多くの研究者によって受け継がれていく。
基本的な概念なのに、やはりわかりにくい。
この論文で、ルグランが類型化を進めるのにチェスの駒のたとえを使っている。著者は、これをそのまま使って説明しているが、私自身はチェスに不案内なので、この論文の基本的な部分はわからなかった。
論文の結論部分で、「・・共的(共感的・共同的・公共的)な作用・・」といっているが、こう「的」が多くては、理解できませんね。
*参考文献には、内外の基礎文献が網羅されている。
*写真、ベルギービールのラベル(麦酒本舗にて)。
すっかり、勉強がおろそかになっていて、一次資料もなかなか読めない状態になっています。でも、これだけの特集が組まれているということは、やはり関心が高い(研究者内で?)ということでしょうし、めげずに地道に勉強していきたいと思います。
フォローはしておくべきテーマであることは
わかります。
このような論議を踏まえた実証研究が5本掲載されているので、これらを読むのが楽しみです。