介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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1520 湯浅 誠『反貧困』を読む(その6)

2008-09-05 10:41:01 | 経済
【悪循環】
*(その5)は、1502番(記事の通算番号です。1501番から始めた)で、9月1日付けです。

「第2章 すべり台社会・日本」に入っています。
データや事例がぎっしりつまって展開しますので、確かめながらゆっくり読んでいます。
この章の最後の項で「貧困の世代間連鎖」のことがでてきます。pp.55~
それを先取りして、この章全体の展開をいいますと、大雑把には、次のような悪循環が作用しているといえます。

○ 貧乏な家庭からは時代に必要な教育を受けることができない。
○ 教育から雇用の間には困難がある。
○ 雇用の場には、不安定(非正規雇用)や失業がある。
○ 非正規雇用の場合には、社会保険の適用に差がある。
○ 加入する社会保険によって、あるいは社会保険に加入しない(国民年金保険料の不払い)生活の安定に格差が生ずる。
○ 社会福祉政策の砦としての生活保護は機能しているか。
○ 貧乏なために微罪で刑事責任を問われ、刑務所に入る。
○ 刑務所を出ても経済的自立の道がない。

【非正規労働者】
非正規労働者が、1732万人に達していて、これは「正規+非正規」の「職員+従業員」の33.4%に相当することを前回、総務省労働力調査詳細集計を引用していいました。
ここで、「非正規労働者」とは、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員を含みます。
働いている人の3分の1の人が、正規雇用ではない・・といった状態は、全体の平均値で、雇用の場における強い男女格差は、この比率の男女格差となって現れています。
つまり、最近の統計(2008年4月から6月期)で、
雇用に占める非正規労働者の比率は、
男性は、18.2%に対して
女性は、53.1%に達しています。
 日本では、女性が「働く」とは、非正規雇用の方が多いわけです。

【年齢階級別では】
非正規雇用を、年齢階級でみると、
15~34歳  30.4%
35~54   29.1
55歳~   47.1
となっていて、55歳以上の場合の比率は少しずつ上昇しています。
(2008年4月~6月期。労働力調査)

【自営業も苦戦】
給与所得者は、年収200万円以下の人が1,022万人もいます。(国税庁)
自営業も経済構造の変化を受けて厳しい生活です。
○ 商業の不振  シャッター通り
○ 米価の暴落  1990年代前半 2万円/60キロ→2006年 14,000円台


*写真は、安曇野カンポンLIFEの9月4日付の記事からお借りしました。
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