介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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『文明論之概略』(福沢諭吉)

2007-12-15 14:24:38 | 映画・読書
1875年(明治8年)発売された
この有名な本も『学問のすすめ』ほどは売れなかった。
ずいぶん前にも本棚に飾っていたときがあったが
今度は
この11月29日から読み始めて
いまのところ160ページほど進んだ。
(岩波文庫版。本文300ページ、注釈90ページ)

1870年に発行された
ギゾーの『ヨーロッパ文明史』の原文など
当時としては最新の著作を下敷きにしている。

まとまった感想は
全部読んでからと思ったが
中途の報告です。

明治初期の日本語で
用語も文体もなじみのないものが続くが
読んでわからないことはないです。
巻末の膨大な注釈(松沢弘陽校注)もいちいちは見ないです。
五七調で名文なので音読をまじえながら味読しています。

学校では読まず
電車でも読まず
自宅でくつろげるときに読んでいます。
この区分をはっきりすることが私のような商売には大切です。

「あたかも一身にて二生を経るの如く、一人にて両身あるが如し」
という有名なセリフも最初のほうにありました。(p12)
福沢諭吉は
1835年生まれの1901年没(享年66歳=今の私と同じ)
ですから、まさに江戸時代を33年生きて、明治時代を33年生きたわけです。

銀行の成立をたとえに(お金は個人で持っていてもわずかずつだが、沢山の人のお金を集めれば投資するも止まったお金ができる・・)
 人の知恵は一人ではさしたるものではないが、全国の知恵が集まる工夫をすれば大きな力になる・・
といったことを述べている(p129)が
私は、インターネットの時代を連想しました。

たとえ、知恵のある方といっても、外部との接触のない人は、むしろ「愚者」
というべきではないか・・(p129)と、これは、私の耳に痛いです。
(知恵のほうも危ないが・・)

まだ、半分ですが、朗読の練習ぐらいの気持ちで読みながら
ところどころ、「おやっ」と思ったり笑ったりします。
この調子なら、なんとか終わりまでいけそうです。
(目次からすると、10章からなるうち、最後の3つの章が大事そう。)
主張が明確で(これは、西欧の最新の論調を下敷きにしたことも関係するか)、これを現代(明治初期)の一般人にも理解させようとしてか、
沢山のたとえ話、作り話がでてきます。
AかNotAか、という論法なので荒っぽいところもありますが、それだけにかえって理解しやすいです。

なお、岩波新書に丸山真男による『「文明論之概略」を読む』が上・中・下と3巻で出ています。福沢の原文を要点ごとに囲み丸山先生のコメントが加えられています。(6回行われた講義を収録したとか)
日本政治思想史の碩学の手になるだけに、こちらから先に、と思いましたが
本屋で立ち読みの結果、原典のみで行くことにしたのです。
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