介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

加計呂麻島の高齢者から学ぶ

2008-08-11 09:19:46 | 加計呂麻島
30ある集落ごとの簡単な報告
というか
1冊の報告集と加計呂麻からのブログを組み合わせた感想記のようなシリーズが終わりました。

○ 高齢者自身はは、どのように考えているのか。
報告書(鹿児島国際大学、2006)のpp.92-93
に、自由記述部分の要約が紹介されている。(花富集落、芝集落を対象)

・高齢者が福祉サービスをよく利用しているので良いと思う。
・台風のとき、見に来てくれるので助かる。
・役場もちゃんとしてくれる。

という評価もあるが、圧倒的に多いのは、経済的な負担に関するものです。
・介護保険料が高い。
・固定資産税が高い。
・年金額が少ない。
・施設に入るのに自己負担額が払えない人がいる。
・年金生活者より生活保護受給者の方が生活にゆとりがあるようだ。
・交際費が多く子供にお金を借りて出している
など。

○ 何を学ぶのか?
このように、島での生活は経済的に苦しいし、これは国の制度による改善が要請されるわけですが、その展望は決して甘くはない。

加計呂麻島には、
素晴らしい自然が残り、文化的な遺産もある。
その地勢的な位置から太平洋戦争の悲惨さを伝える史跡なども多い。

こんどの高齢者の集落ごとのインタビューを読み、
加計呂麻島からのブログによって、日常の生活を知って、
島の人たちは、貧しいながらも、自立心があり、自然と共に生きている
特に集落内ではみんなが助け合っていることが印象に残ります。

○ 認知症の方はいないのでは?
これまでの報告書の叙述からは、高齢者の認知症に関しての記録がないように思われました。専門的な調査をしてみないとわかりませんが、かりに認知症の方がおられたとして、このように集落内で助け合って生活しておれば、ある程度までの認知症は問題ないように思えます。

都市部での、これからの認知症の対応の困難さを考えると、何か重大なヒントが潜んでいるように思えます。

*写真は、

奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG

の2008年8月6日の記事(大屯神社の清掃日)からお借りしました。
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「居場所」と「時の流れ」 (どりーむ)
2008-08-12 11:43:05
昨日、一日、「都市部での、これからの認知症の対応の困難さを考えると、何か重大なヒントが潜んでいるように思えます。」というなげかけについてを考えていました。

田舎風景のドキュメンタリー等で、手ぬぐいを頬被りで日焼けした顔を隠して、曲がった腰でシルバーカーを押して、畑などに出られているお年寄りの姿をみて、この方たちが要介護認定を受けていたら、要支援2?要介護1いや2までいくのかな?そして、仮に認定がでていても、介護保険サービスを使っていらっしゃるのかしら?と思うことがあります。

私の勤務地は、政令指定都市のど真ん中です。高齢化も区全体でみれば約15%ですが、町内会別にみれば、30%を越えているところもあります。もちろん、独居老人、高齢者世帯も多くあります。私が担当している27名の要介護認定を受けていらっしゃるかたで、かかりつけ医の意見書に「認知症」の文字をみないかたは、わずかに4名です。(その内、2名は比較的若年のかたですが・・・)

その「認知症」のために、「何をするかわからないので、家に一人で置いておけない」「何度、同じことを言ってもわかってくれない」などの、「周囲」にとっての困りごとの解決のために、サービスを利用せざるをえないこともあります。しかし、そのサービスの中にご本人が「参加」され、「居場所」を見つけられると、その方の「時の流れ」を、そこに感じさせていただくことができます。

立派な、最新の高層マンションで、オートロック式のコンクリートに囲まれ、重たい扉の向こうに、認知症を患われた老夫婦宅を支援したことがあります。その外見からは、創造もつかないような室内です。1棟で300戸以上はあるようなところに、そのような方が住まわれているとは、ほとんどの人は想像しないように思います。
家があり、交通機関があり、店があり、(高齢となられた方々が使いやすいものとは限らない)サービスがある等と物理的環境は整っている都会ですが、そこには、その方の「居場所」と「時の流れ」がないように思います。

と、これだけのことを考えているうちに、どんどんブロクが更新されていて、追いつくのに必死です(@_@) でも、楽しいですけど・・・(^^;)
ご自分のブログを始められては? (bonn1979)
2008-08-12 13:48:36
どりーむ さん
丁寧なコメントをありがとうございます。

認知症については、義母90歳のケアの体験が重なっています。

都会では、これからどうなっていくのか?
そして、自分自身は・・
という思いで書いています。

話は飛躍しますが、
どろーむ さんのコメントを拝見していますと

是非ご自分の部屋(ブログ)をもたれては
と思います。
最初は、週1回、自分の考えを書くというのでよいと思います。
私も、実質1年あまりのブログ体験で大きなことはいえませんが、多くの方の考えを知る機会が一層増えると思います。
・・ごめんなさい。教師かぜを吹かせました。
自分の居場所を見つけてから・・・ (どりーむ)
2008-08-12 20:21:16
お返事、ありがとうございます。

ソーシャルワークの世界を少しずつ知るにつけ、また、いろいろな方のブログを読ませて頂き「発信する」ことの大事さを感じているところです。そして、今、日本の社会福祉には、「現場からの声」と「気づいた人から、行動を起こすこと」が必要なのだとも思います。

実は、ブログをもとうかなぁ・・・・と思うこともたびたびあるのですが、もう少し、自分の「居場所」が必要なようです。しばらくの間は、皆様のブログを拝見させて頂き、学習していきたいと思っています。そして、このような者ですが、これからも、たびたびコメントさせて頂きたいと思います。

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