ドイツ医療保険制度調査報告書(国民健康保険中央会)が届いたので紹介します。
1997年以降5回にわたって調査されたものの最終報告です。
【医療問題の難しさ】
私のこのブログでは、「医療」というカテゴリを設けていて、これまで160件の記事をアップしています。年間30兆円という巨額な費用を医療費に使っているのですが、それでも地域や診療科によっては、医療サービスが低下しているのが現状ですね。
医療問題は、誰もが体験する問題であると同時に専門的な見地から検討も必要なので、研究機関などでの研究の蓄積が重要です。日本では、健康保険組合連合会や日医総研などの関係組織や医療経済研究機構などのシンクタンクで医療問題の専門的な研究が行われています。
【ドイツの医療問題】
これらのシンクタンクでは、高齢者の増大、新しい技術の導入、従来とは違う分野(認知症、看取りケアなど)への対応、介護サービスとの関係付けなど、実証的な研究が重ねられています。
これらの現象は、先進諸国でも共通の課題になっているので、この「基礎編」では、カテゴリの「地球」という枠組みの中で主な国の医療政策(主に医療費政策)をフォローしています。
少し古いのですが、次の3点は、ドイツの医療政策との対比を通じて、日本の医療政策の課題に触れたものです。
2008.02.21 ドイツの医療保険の特色
2008.02.28 ドイツと比較した日本の医療制度の特色
2008.03.02 ドイツで「社会的入院」が生じにくい理由
【ドイツ医療保険制度調査(最終版)報告書】
今日、ご紹介する資料は、国民健康保険中央会が、2009年10月付けで発行している『ドイツ医療保険制度調査(最終版)報告書』です。(写真)
A4版で、271ページの膨大なものですが、以下に目次をあげておきます。
この調査は、1997年、1999年、2002年、2006年、2009年と継続的・体系的に行われています。専門的な内容ですが、あまり知られていないので紹介します。
*上記、中央会のサイトには、2002年報告の概要がアップされています。
〔総説編〕
1 略号
2 主な用語
3 ドイツの公的医療保険制度(概説)pp.6-25
第1章 ドイツ制度の動向と直近の改革
第2章 ドイツ医療保険制度の特色
第3章 ドイツ制度の改革動向と日本の医療保険の課題
(1) 保険財政運営の仕組みから 合理的な費用負担の追求
(2) 診療報酬から 適正な配分の仕組みの確立
(3) 医療提供から 保険者の積極的なかかわり
(4) 制度の基盤から 根拠に基づく制度設計と運営
(5) 保険者機能から 保険者及び保険者団体の主体的役割
4 第1次~第4次報告書 の目次
〔第5次調査編〕
2009.02.08-15
要約
第1部 医療基金とリスク構造調整
第2部 開業医の診療報酬
第3部 診療報酬体系
第4部 家庭医制度
第5部 疾病管理プログラム
第6部 面談記録 (7箇所)
【ドイツの最新動向】
この報告書のまとめでも触れています(p.6)が、ドイツでは2009年秋にCDU/CSUとFDPとの連立政権が成立して、医療費政策も大きく変わろうとしています。
*この新しい動静については、「資料編」カテゴリ407に「Gesundheits」をもうけてフォローしています。大部分がドイツ語ですが、2009.05.27以降75件の記事をアップしています。医療費問題を担当する保健大臣がFDPの議員から選ばれた。近いうちにどのような背景からどのような改革案が構想されているかまとめてみます。
407 Gesundheits
1997年以降5回にわたって調査されたものの最終報告です。
【医療問題の難しさ】
私のこのブログでは、「医療」というカテゴリを設けていて、これまで160件の記事をアップしています。年間30兆円という巨額な費用を医療費に使っているのですが、それでも地域や診療科によっては、医療サービスが低下しているのが現状ですね。
医療問題は、誰もが体験する問題であると同時に専門的な見地から検討も必要なので、研究機関などでの研究の蓄積が重要です。日本では、健康保険組合連合会や日医総研などの関係組織や医療経済研究機構などのシンクタンクで医療問題の専門的な研究が行われています。
【ドイツの医療問題】
これらのシンクタンクでは、高齢者の増大、新しい技術の導入、従来とは違う分野(認知症、看取りケアなど)への対応、介護サービスとの関係付けなど、実証的な研究が重ねられています。
これらの現象は、先進諸国でも共通の課題になっているので、この「基礎編」では、カテゴリの「地球」という枠組みの中で主な国の医療政策(主に医療費政策)をフォローしています。
少し古いのですが、次の3点は、ドイツの医療政策との対比を通じて、日本の医療政策の課題に触れたものです。
2008.02.21 ドイツの医療保険の特色
2008.02.28 ドイツと比較した日本の医療制度の特色
2008.03.02 ドイツで「社会的入院」が生じにくい理由
【ドイツ医療保険制度調査(最終版)報告書】
今日、ご紹介する資料は、国民健康保険中央会が、2009年10月付けで発行している『ドイツ医療保険制度調査(最終版)報告書』です。(写真)
A4版で、271ページの膨大なものですが、以下に目次をあげておきます。
この調査は、1997年、1999年、2002年、2006年、2009年と継続的・体系的に行われています。専門的な内容ですが、あまり知られていないので紹介します。
*上記、中央会のサイトには、2002年報告の概要がアップされています。
〔総説編〕
1 略号
2 主な用語
3 ドイツの公的医療保険制度(概説)pp.6-25
第1章 ドイツ制度の動向と直近の改革
第2章 ドイツ医療保険制度の特色
第3章 ドイツ制度の改革動向と日本の医療保険の課題
(1) 保険財政運営の仕組みから 合理的な費用負担の追求
(2) 診療報酬から 適正な配分の仕組みの確立
(3) 医療提供から 保険者の積極的なかかわり
(4) 制度の基盤から 根拠に基づく制度設計と運営
(5) 保険者機能から 保険者及び保険者団体の主体的役割
4 第1次~第4次報告書 の目次
〔第5次調査編〕
2009.02.08-15
要約
第1部 医療基金とリスク構造調整
第2部 開業医の診療報酬
第3部 診療報酬体系
第4部 家庭医制度
第5部 疾病管理プログラム
第6部 面談記録 (7箇所)
【ドイツの最新動向】
この報告書のまとめでも触れています(p.6)が、ドイツでは2009年秋にCDU/CSUとFDPとの連立政権が成立して、医療費政策も大きく変わろうとしています。
*この新しい動静については、「資料編」カテゴリ407に「Gesundheits」をもうけてフォローしています。大部分がドイツ語ですが、2009.05.27以降75件の記事をアップしています。医療費問題を担当する保健大臣がFDPの議員から選ばれた。近いうちにどのような背景からどのような改革案が構想されているかまとめてみます。
407 Gesundheits
ドイツの場合:
保険者が被保険者のエージェントとして設定されているようです。
一方で、ドイツの全国民が公的保険か民間保険かどちらか保険に強制加入しています。
そうすると、保険者に「第三購入者」としての役割を担わせたと考えております。
ここで、私は「第三購入者」の役割と供給者誘発需要との関係について、先生の話をおうかがいしたいのですが。
「第三者購入」
まだ
その概念を理解していませんが
今度
話を聞かせてください。
「第三者購入者」に関する論文は、以下のサイトを参照してください。
論文の題名:「Purchasing health care in China: Competing or non-competing third-party purchasers?」
http://www.journals.elsevierhealth.com/periodicals/heap/article/PIIS0168851009001389/abstract