介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第4109号 2020年までに、医療・福祉分野の就業者がさらに230万人必要だが・・

2010-12-18 18:13:10 | 政治社会
【介護の現場から】

ネット環境が改善し、現場で苦闘されている先覚者的な方々から、連日課題が報告されています。

小規模多機能ホーム日記 2010.12.18 (認知症への対応)

想い・思い・おもい ver.2  第672回 2010.12.16 (生活援助の必要性)

Think Power  2010.12.15 (施設運営の現場から)


【改革の方向は示されたが】

第4096号 2010.12.11 (政府与党の社会保障改革の方向)

「財政難の中の社会保障」という枠組みを超えていない。
このほか、本ブログの「経済」「政治社会」のカテゴリに収めた記事をご覧ください。


【10年で230万人増やすには】

12月17日公表された2020年における産業分野別の就業者数の推計には重要なポイントがあります。

P7578

その要点:

政府の「新成長戦略」における就業率目標57%の下での2020 年の就業者数は、「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所2006 年12 月中位推計)の将来人口から算出すると6227 万人であり、2009 年比55 万人減少する。

2020 年の産業別就業者数については、「新成長戦略」によって追加需要が見込まれる医療・福祉(2009 年比230 万人増)、情報通信業(100 万人増)、および輸送用機械器具製造業(23 万人増) などの産業において2009 年よりも増加する。産業別構成比では、医療・福祉で2009 年比3.8%ポイント増、情報通信業で1.6%ポイント増、および輸送用機械器具製造業で0.4%ポイント増となっている。

一方、飲食店・宿泊業(93 万人減)や卸売・小売業(68 万人減)などの産業では、2009 年よりも減少する。産業別構成比で減少幅が大きいのは、飲食・宿泊業(1.4%ポイント減)や鉱業・建設業(1.0%ポイント減)である。


【基本的な視点】

以上、まとめてみると、

背景として、
・介護現場の課題は予断を許さない
・医療・介護の充実は財政難で無理なのか
・10年で医療・福祉の分野で230万人の就業者が必要


これに立ち向かう基本的な視点を確認したい:

・医療や介護は社会生活の基礎であり公共的に充足する必要がある。

・財源を生み出すための産業は、建設業や宿泊業ではなく、新しい産業構造分野に移行している現実を直視する。

・新しい分野の特徴は、専門的な教育・訓練を受けた就業者が不可欠であることだ。


【既得権を突破する構想力と実行】

このような認識に立って、大胆で統合的な政策を構想し、政治の場で着実に実行することが緊急の課題だ。残念ながら、政治家にはこのような現状認識に乏しい。行政の専門家の視点も不十分である。そこで、介護福祉の現場から具体的事実をもって広く問題を提起する。

以下は、検討項目の私の例示:

1 社会保障制度の統合的で簡潔な仕組み
 *福祉、介護、医療、年金、生活保護、失業、住宅など。

2 医療・福祉の専門職の教育内容の刷新。とくに、介護福祉分野の専門職の充実。
 *研修機会の充実。

3 未設置の各県に公立介護福祉学部を創設。看護学にならい、修士・博士課程をおき充実する。
 *私立大学の介護福祉教育の刷新。公的な助成。

4 介護福祉関係の資格法の充実。介護福祉関係の施設責任者・事業責任者を介護支援専門員・介護福祉士・社会福祉士をもってあてる。

5 学校・職場・医療などさまざまな分野における「社会的排除」事例を専門的に支援する専門職としてソーシャルワーカー(社会福祉士)の教育の刷新を図る。

6 成年後見などの支援システムの強化


*写真は、桜島。12月12日、湯之平展望所から。
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