介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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第2927号 J.J.ルソーの社会思想/音楽論から音楽療法へ

2009-05-26 06:00:51 | 音楽ケア→別ブログ
論文のタイトルは、
J.J.ルソーの社会思想/音楽論から音楽療法へのアプローチ
pp.55-68

著者:中間眞司(鹿児島国際大学大学院国際文化研究科博士課程)

*このブログでは、同じ著者による学会発表を紹介しています。(第1742号 2008.10.11)
*中間さんは、私の担当する講義「社会福祉概論」でギター演奏をお願いしたりしています。
 (第2143号 2009.01.23 では、Kさんの誕生日に演奏する写真をアップしています)

【目次】
1 はじめに 社会福祉への思想を準備したルソー哲学
2 理論の展開
 1)ルソー哲学を音楽療法へ導く可能性
 2)音楽家ルソーの略歴
 3)教育と療法
 4)ルソーの哲学「自然主義」からルソーの音楽観へのむすびつき
 5)ルソーの『エミール』(1762)と音楽療法
  ①消極教育と人間愛
  ②経験学習と音楽療法
 6)ルソーの消極教育を音楽療法に応用するアプローチ
 7)ルソー『告白』(1781)執筆による回想法から音楽療法へのアプローチ
  ①ルソー著『音楽辞典』(1767)にある音楽療法
  ②ルソー著『告白』(1781)にある音楽療法
3 まとめと考察

【先行研究】
小林善彦、海老沢 敏、内藤義博らのものがある。

【音楽家としての著者】
著者の中間氏は、鹿児島県内の福祉施設をはじめ、勤務する学内の催し、幾つかの講義、ベルギービール店などでギター演奏を行っています。

ルソーの人生の中にある音楽を語る中間氏の思想の骨格は、自らの「音楽のある人生」のまとめでもあります。
  
【この論文の意義】
ルソーについては、フランス革命の「自由・平等・博愛」を準備した社会思想家として知られています。世界人権宣言を経て日本国憲法へといたる近代思想の根幹ともいえます。

このルソーが、音楽の分野でも大きな意義をもっていたことを、従来は教育論の古典とされてきた『エミール』を援用して音楽療法までつなげた発想はユニークです。

社会福祉学、社会福祉援助技術の中で、音楽療法などの「非薬物療法」の位置づけが日本ではまだ弱い中での論考なので注目されます。

この論文ででてくる「消極教育」の概念は、最近読み始めた藤本一司『介護の倫理』、昨日お会いした竹田 保氏の実践などが、どこかでつながってきそうな予感がしています。
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1 コメント

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お礼 (中間眞司)
2009-06-03 17:36:17
ご紹介していただいて、ありがとうございます。本来ならば自分で、ブログをデザインしで社会に問われないといけないのでしょうが、目に見えない電気(パソコン)に弱いもので。マネージャーをしていただいて、うれしいです。たまには、フィンランド・ビールでもいかがでしょうか。中間眞司

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