介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

日本福祉大学スタッフによる『社会福祉専門職論』

2007-08-24 10:09:37 | 社会福祉
43歳で転職してかれこれ23年あまり社会福祉教育に
携わってきました。
今はやっていませんが、社会福祉士の資格が出来たてのころ
教科書を書いたり、試験委員もやりました。
この間、縁あって私学を5つ勤めて沢山の教室で講義し
現在の学生像と描かれているものとのギャップ
を感じています。

日本福祉大学の宮田和明学長ら18名の先生方による
『社会福祉専門職論』は、そういった疑問に答えてくれます。
(中央法規、2007年7月。262ページ、3000円+税)
実習を含め、日本福祉大学での教育の点検の上に立って
現状と展望が示されています。

児童養護施設、介護保険、障害者支援、医療現場、地域福祉
といった分野ごとの検討から、社会福祉専門職の教育に関する
18の章立てからなります。
独立型社会福祉士(p77~)、福祉工学的なものとの連携(p220~)
国際福祉開発(p250~)などはこれまで類書では
あまり取り上げられてこなかった新しい分野です。

内容が豊富ですが、特に印象に残った箇所をあげておきます。
・わが国での社会福祉専門職の教育が1908(明治41)の内務省の講習
から始まり、すでに1世紀経つこと。(p92以下の年表)
・ソーシャルケアワークの視点の重要性(p140、p167)
児童養護施設、知的障害者授産施設などの事例から。
・社会福祉専門職は、社会福祉の領域を超える(p171~)
日本福祉大学におけるカリキュラム開発の事例を紹介しながら
社会福祉学の広がりを説いている。
・登録免許税から見た専門性の違い(p185)は具体的で面白い。
例えば、医師   60000円
    薬剤師  30000円   
   社会福祉士 15000円
    看護師   9000円
世界的に見ても社会福祉専門職は「準専門職」と位置づけられているとする。
・福祉系大学に入学してくる学生の実態(偏差値、ニーズなど)
と目標とされているもの(国家試験の過去問)とのギャップ(p214)
・・・これは、まさに教壇に立ってこそわかることで、同感です。 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ひきこもりの国』を読む | トップ | 発表資料を直接見てみよう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会福祉」カテゴリの最新記事