介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

新しいブログにリンクしています。7つのテーマにわけました。引き続きお読みください。

第3856号 経済栄えて山河滅ぶ

2010-08-17 05:23:24 | 地球→ドイツブログ
【膨張の時代の終わり】

経済学者の水野和夫氏の話を書きました。(第3843号。2010.08.12)
「膨張を続けた近代は(日本については)終わろうとしている」というお話でした。

環境問題という視点からは、

「低炭素経済への道」

を紹介しました。(第3704号。2010.05.22)


今日、ご紹介するのは、36年も前に出版された富山和子さんの本の改版です。
旧版は、昔金沢で公害対策の仕事をしていた頃に読みました。
*内容的には旧版と同じ。巻末に「改版に寄せて」があります。


【伝統を捨てた社会】

富山和子 『水と緑と土/伝統を捨てた社会の行方』(中公新書・改版)
1974.1.25 発行 2010.07.25改版

     *         *         *

目次

序章 自然観の断絶
1 治水の革命
2 不足する水資源
3 水の収奪
4 現代の水思想
5 原点としての明治三十年
6 緑の破壊者
7 失われゆく森林資源
8 土壌と文明
9 農業の近代化がもたらしたもの
終章 新しい道を求めて

改版に寄せて

      *         *         * 

私が特に印象に残ったのは、
p.56 江戸時代の治水思想
p.108 明治期の開発へのベルツの警告
p.152 江戸時代の林業思想(宮崎安貞、佐藤信淵、山鹿素行)

いずれも、江戸時代の蓄積と明治後期の転換という箇所です。
そのころ、日本社会は、本格的な「近代」に入ったのか?


【最近のブログから3点】

一貫して、「水」の問題を調査し、警鐘を鳴らしてこられた著者の「理論」には疑問を呈する向きもあることを今回ネットで知りました。

ですが、書評・感想の殆どは、「36年も前によく現在を予言している」
と必読を訴える内容です。

以下に、8月に書かれた次の3つのブログ記事を紹介するにとどめます。

We See 2010.08.14

のんびり、ひとり旅 2010.08.09

名言 昼津ルーム 2010.08.03


世界的な水害
この夏の豪雨

改めて、第2次大戦終了後の日本経済の発展とそのもたらしたものを考えさせられます。
敗戦後「国敗れて山河あり」という杜甫の詩を読みました。いまは「経済栄えて山河滅ぶ」の感慨が残ります。
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