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第3395号 日本語を教える難しさ

2009-12-12 08:49:55 | 中国
写真は、奄美のリュウキュウルリミノキ。

光の中で 2009.12.12 からお借りしました。
名前の「ルリ」の意味は、実った写真をみて納得です。


【留学生に日本語を教える】
水曜日に、学内の国際交流委員会に出席。留学生が140人だかになり、さまざまなサポートを組織的に行おう・・といった話し合いをしました。

最近は、大学院にも留学生が増えています。中国、韓国、台湾。

話し言葉としての日本語はある程度のレベルに達しています。
問題は、論文を書くレベルの日本語の習得ですね。

昔、私が、介護政策でOECDの会議でレポートしたことがあり、現在でもその内容がOECDの刊行物に残っています。実は、その英語には、私の原文は殆ど残っておらず、当時のOECDの担当課長がイギリスの方で、私の原文に大幅に手を入れてくれて読むに耐えるものになった。

そのことを思うと、留学生の日本語論文のレベルは高いというべきですが・・・
このところ、修士課程、博士課程の院生の、中間報告、査読論文、博士論文など、多くの日本語論文を読む機会があります。

【誤りには法則性がある】
日本人学生の場合には、
論文を読んで、教員の仕事は、
・論旨の一貫性
・先行研究の理解
・創意のある箇所
など内容面をみます。

留学生の場合には、その内容面のほかに、
外国語としての日本語論文
に要請される水準を満たしているかどうか
という点があります。

最近、中国からの留学生たちの日本語論文を読んで、その誤りに共通点があることを発見!しました。

【中国人留学生の日本語】
中国人留学生の日本語には、
1 助詞の誤り
2 話し言葉の混入
3 受動態と能動態の混在
4 時制(過去・現在・未来)の混在
5 「・・的」という表現の多用

など頻発するものがあります。
そして、私自身は中国語の初歩の知識もありませんが、
この「中国からの留学生の日本語論文に頻発する文法的な誤り」
の根本原因は、
中国語文法と日本語文法との相違
があることに気がついたのです。
(・・日本語教育の専門家には既知のことでしょうが)

【教える方にも構造的な知識と工夫が】
となれば、
教える側にも、「日本語ではこうだ」という教え方ではなく
中国語の語法との対比を論理的に説明できる必要がありますね。

第3394号で
ウィトゲンシュタインのドイツ語と英語の違いというか、彼の場合、英語でイギリスの大学で講義できたわけですが、やはり母国語のドイツ語の方がよく考えることができる・・
という趣旨のことを引用しました。

同じ漢字使用国ではありますが(正確には、日本は中国から漢字を輸入したわけですが)論文を書くというレベルになると、相互の違いを明確に理解する必要があるということですね。
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1 コメント

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文化の違い (陳)
2009-12-12 09:33:21
 「日本語の難しさ」については、留学生としての私も強く感じております。
 一つは、中日文化の違いによって、考え方が異なります。
 二つは、言葉使いですね。とくに「は」、「が」という助詞の違いについて、私にとっては、よく理解できませんでした。
 三つは、「能動」vs「受動」の使い方は、かなり困難だと感じました。
 四つは、自分の専門知識や日本語能力がまだ足りないと感じました。

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