植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

どこよりも早いなでしこジャパン2戦目観戦記

2021年11月30日 | スポーツ
 このところの政府のコロナ対策では唯一といっていいまっとうなものが出てきました。

 外国人の入国禁止にするというのです。コロナの変異種オミクロンの感染者が海外で報告されて、世界の数か国しか入国制限を実施していない中思い切った決断であります。自民党政権に幻滅し、批判的なワタシではありますが、やっと政府内にもまともなことを考える人間が出てきて、合理的で機敏な対応が出来る総理の片鱗が見えました。

 もし例外なく今日から海外からの外国人が入って来なく出来るなら、帰国者である日本人の検疫が重要になります。厳格な隔離が行えるか?。帰国した石川遼君みたいに、ゴルフしたり仲間と食事したりがまかりとおるなら、いつか確実に変異株が上陸するでしょう。徹底した水際作戦というのが出来なかったのは、先のオリンピックで立証されています。

 それはともかく。なでしこの国際試合2試合目のオランダ戦です。たった今スコアレスドローに終わりました。結果だけを見れば2試合で一点の得点も上げられませんでした。
 先発FWは予想通り、フィットしていなかったアイスランド戦の植木・小林を外し、経験豊富な菅澤と田中美南を入れてきました。試合の入りを見ても、前の試合とは見違えるほど攻撃の組み立ても出来ていました。相手の長いパスやカウンターにも守備では大きな穴は見られませんでした。まともなシュートチャンスを作られたのは2回位で、特に前半はほとんど攻められることはありませんでした。

 圧倒的にボールを支配出来ていたのに得点が生まれなかったのは、中盤やサイドのディフェンダーの攻め上がりが少なく、長谷川を含めた攻撃選手のマークがきつかったからです。右サイドの長谷川は縦横無尽に顔を出してシュートチャンスまで行くものの逆サイドが手薄で、特に宮沢の所でボールが止まったりロスするケースが多かったのです。田中美南の負傷で途中交代してきた岩渕真奈ちゃんは、まだ故障を抱えているので全般的にはやや動きが少なく、自分で切れ込んでシュートまで行く、というシーンはありませんでした。

 ゴール前の決定的なチャンスも2,3度ありましたが枠に飛ばないという日本の伝統芸で何本打っても入りません。

 後半になると徐々にパスミスが多くなり、特に後半終了近くには何度も押し込まれることが増えました。オランダは主力がほとんど出場できず若手・控え組が主体でしたが、若い選手でも技術がしっかりしているので、後半次々に投入されるフレッシュな選手によってプレッシャーが強くなったようです。

 背が高く、ゾーンでペナルティーエリア内に集中した相手を崩すには、遠目からのミドルシュートか、早いドリブルでつっかけていくか、味方陣地で奪った瞬間、ディフェンスの裏に大きく出して足の速い選手が追いかける、などのパターンをいくつも繰り出す必要があります。攻め込んでいても遠いところでパス回ししているうちにカットされます。

 女子サッカーではキック力が弱いので、走り込んで準備していないと強いミドルシュートは打てません。やはり、小柄で足元のドリブルにたけた真奈ちゃんのような選手がもう一人欲しいところ。そして俊足のサイドアタッカー(川澄奈穂美ちゃんみたいな)のカウンター攻撃というオプションも必要です。長谷川をのロングフィードを引き出すサイド攻撃をもっと練習せい!であります。男子フル代表で言えば伊東みたいなタイプです。

 アウェーでの親善試合なので、結果云々はとやかく言っても仕方ありません。点を取られなかったのはそれなりに修正できたのでしょう。強いシュートを蹴れるFW遠藤、中盤をコントロールできる猶本(ワタシの個人的趣味ですが💦)、攻撃参加に優れ1対1の守備も卓越した杉田、可愛らしい塩越などを試しながら、次の試合にはせめて1点はとって欲しいものであります。
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コロナはどーこにいきやがった

2021年11月29日 | コロナ
久しぶりにコロナを書きます。

 町はそろそろ年の瀬ムードで、人流の増加は顕著であります。銀行のATMコーナーは人が並び店舗の外まで行列が出ていました。車が増え、ショッピングセンターは駐車場へ入庫待ちの渋滞が出来ております。未明には保冷車や大型の運送トラックなどが列をなして走るようになりました。ガソリン価格の急騰を受けて、渋滞が無い深夜に走らせて燃料の倹約をしているのです。

こんな平塚のような片田舎でも目に見えて外を歩き店舗で買い物をする人が増えているのです。昨日は「日曜日」であることをうっかり忘れて、お気に入りの蕎麦屋に行ったら、満席でさらに予約の16名の団体がどやどや入って来ました。珍しくお昼が1時前と出遅れてお腹がすいているし、低血糖値ぎみになると嫌なので、待てずに別のとんかつ屋にいたしました。

 理由は、コロナが劇的に沈静化したことと、みんな自粛に飽きてきた、そして懐も暖かいいうことに帰結しますね。ちょうど給料日の後の休日、民間の賞与も出始めるしともかくこれからひと月は、コロナに関わらず、どっと人出が増えるのは確実です。

 では、なぜ、わが国で二月ほどの間完全に感染者が縮小しボトムの状態に入ったか、それを納得がいく科学的な説明は今のところ出ていません。世の中にこれだけ頭のいい人がいて、2年間コロナ一色で対策や研究が続けられていて、スーパーコンピューターがあり、ネットやスマホなどで無尽蔵の情報が溢れているのに・・・・

 馬鹿なの?日本人は。厚労省も学者も研究者も医者も政治家も、バカばかりなの?
 諸説あります。曰く、日本人は特異体質があってコロナを寄せ付けない、人流抑制が効いた(笑)。減ったように見えて実は検査件数が減ったからという珍説まで飛び出しました。マスクが性能がいいんだ、とか、ワクチンの効果という説もありますね。更に変異株が自滅したのではという楽観的な研究も発表されました。でも誰も本当のことは分からないし、明日は、来年はどうなるかさえ見当もつきません。

 ワタシは、なぜコロナが感染するかのメカニズムを解明することが先決だろうと思います。どうして人から人に感染したのかを、実際に感染した行動の解析によって把握できると思います。介護施設や家庭内感染は対象外、よそからどこで何をしたら感染したかを突き止めれば感染の大半を防げます。日本は、個人情報やら人権などを振りかざして、まともな情報収集が出来ないので漠然とした推論ばかり歩き回ります。

 それで、最も日本人が感染が少なくなったそのわけをここで発表いたします。その第一は日本人がスキンシップを好まないからであります。人との緊密な接触や目の前での口論、はたまたキスもしなければハグも握手も無しです。
ツバキがかかるほどまじかで口論したり怒鳴ったりくしゃみをすれば、それは感染しますよ。
 日本人は滅多に夫婦間でも手を繋いだり接吻をいたしません。ワタシなぞは、ここ一年間以上振り返って、自分から人の体に触れることは一度もありません。医者が注射したり血圧を図ったり、美容院で頭を触られるくらいです。(おねえちゃんの手を握り耳元で愛を囁く、などといったことは生まれてこの方無いか)

 それから、「怖さ」を身に沁みて感じたからでもあります。感染しても非常食が自宅に届けばいい方で、電話もつながらず自分の寝床で行き絶え絶えになり、運が悪ければ死ぬよ、とお上に脅かされました。それもあって、感染が沈静化しても、非常事態宣言が解除されても誰もマスクを外しません。つまりマスクは極めて効果的なのではないかという推論も成り立ちます。

 では、これからどうなるかを予想するためのポイントは、一つには「防疫」水際作戦であります。日本の在来株が一定の抑制が効いて、さらにクラスター潰しをして一掃したとしても、海外から変異株のお土産を持参する帰国者や外国人が居たら何もなりません。折しも、南アフリカで発見された新型「オミクロン」はデルタ株のさらに上を行く感染力だと言われます。すでに欧州で複数の感染者が確認されていますが、まだ心配ないと呑気な姿勢であります。

 そもそも変異株の命名はギリシア文字によっていますが、「κ 」カッパ「λ」 ラムダ、ミュー・ニュー続くのですが、Newと紛らわしいとして採用せず、次の「ξ 」クサイはなぜかスルーして「o」オミクロンとしました。クサイは「Xi」と表記され習近平の英語表記「Xí Jìnpíng 」となります。こんなところまで中国の指導者に配慮する国際機関など無い方がいいと思いますなぁ。

 話は戻って、いよいよ忘年会シーズン、その先は暮、正月があります。籍だけは入れたウチの次男と三男も、保留としていた結婚式の日程をあげてきました。このまま第6波が来なければ日本人はシアワセでありましょう。あえて景気対策とか言って10万円を配ることも無し、Gotoなんかも無意味です。

 コロナの野郎どこに行きやがった、とっ捕まえて酒と一緒に飲み込んでやる、と思うのです。

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今朝は三本彫りました💛

2021年11月27日 | 篆刻
ここ数日ヤボ用やら雑事やらで書道と篆刻の時間が取れませんでした。
今日から、また寸暇を惜しんで篆刻印にかかろうと思います。

 印を作るには、まず「何を彫るか」が最初になります。摸刻ならばそこに印影があるので、そのまま印面に逆文字を書きホリホリするだけですが、人様に頼まれると考えることが増えます。相手の方の印の用途、書道の腕前(笑)、希望からどんな人柄かも考慮に入れるというまことに奇特な人間なのです。

 通常、篆刻家さんは自分の得意な書体や体裁で彫ろうとしますし、いちいち相手の要望や彫り方に口出しはさせません。自身の作意が鈍ると言いますな。それで、依頼者さんも心得たもので「先生におまかせします」と言うのです(あくまで想像ですが)。

 実際、篆刻家見習のワタシですら、こんなのがいい、とかもう少しこうして、とか言われたら「えぇい!うっさいわ」と思うでしょうね。しかし、わざわざ自分に頼んでくれて、用途が明らかで日常的に愛用してもらえるなら、ご本人の気に入るように彫るというのもプロの業だろうとも思います。
 ワタシは、一年前プロの方に大枚はたいて姓名印を作って貰いましたが、今の段階では実は気に入っておりません。一度しか落款に使っていないのです。立派な彫のもので、そこは文句をつけようが無いのです。それは、自分の力量が上がったからではなく、ワタシがいいなぁ、捺したい印だなぁ、と思わないだけなのです。それは、自分の美意識やら好みに起因するのかもしれません。

 彫る内容や文字数、陰刻・陽刻などが決まれば、いくつもの字典を参考にして印稿を作成します。いわば設計図であります。ワタシはここはかなり端折って頭の中で大体想像出来たら、それに相応しい印材を探します。印材だけは2.3千本あるのでどんな需要にも対応できます。刻印済みならばサンドペーパーなどで一旦潰して平らにし、奇麗に磨きをかけます。印面がでこぼこなく均一な面になったら、いきなり鉛筆で下書きします。逆さ文字で、だいたいのレイアウトができればよし、次に細いサインペンで彫るべき文字をなぞるのです。あとは彫りながら考え修正するというテキトーな作業になりますが、案外これが悪くないのです。時間短縮出来るし、彫るさ中にアイデアも生まれ、少しずつ修正しながら字を刻めればいいのです。

 ということを考えつつ、ここで6人の書道愛好家さんに印を彫る約束をしました。摸刻に少し飽きてきて「創作」や実用印の作成を彫りたいと思ったのです。この一年間夢中で彫ってきて、自分の腕前を客観的に測るため、書道を嗜む人の感想を聞きたいという目的でもあります。勿論お金は頂かない、欲しい印を数個彫る、相手の方の書道歴などを参考にしてあとは自分で好きに彫ります。
 

今朝はとりあえず3本、槐松亭方式は早いのが取り柄であります。まぁこんなものでしょう。篆刻ばかりをやってると運動不足になります。マイガーデンには草が生い茂り、メダカの水交換も手抜きになっています。何より、そろそろ非耐寒性の植物たちの格納場所を確保し、順次屋内に運ばなければなりません。
最期は目の保養(笑)
 
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みんな集まれ 新生ナデシコの門出だ

2021年11月26日 | スポーツ
普通に寒くなっているんですね。今年はどうやら厳冬、温暖化を言われる近年では珍しく、寒くなると聞きました。すでに北海道では大雪になっていて東北北陸でも山は雪です。エルニーニョ現象が影響してるのですね。

 昨日今日の最低気温が3℃、これは非常にまずいのです。屋上とバラ園のまわりに置いた鉢植えの多くが「非耐寒性」で、真冬を前にして室内と温室に格納し「越冬」の準備に入らなければなりりません。

 まず今年長く咲き続けてくれた月下美人(三鉢)、イランイラン、ロンガン、種から育てたミッキーマウスの木、睡蓮木などは必須です。ハイビスカス・ブーゲンビレア・プルメリアという熱帯系三姉妹も危険となりますが、その数は10鉢を越えます。

 球根系ではツバメ水仙・チューベローズ・アマゾンリリー・スパイダーリリー・アシダンセラなど凍結するとそのままダメになるものも掘り上げるか、鉢ごと屋外へしまわねばなりません。ともかく、寒さに弱いものみんな集まれ、家に入れであります。

 ですが、なかなか忙しいのであります。今日はさっきまでゴルフ、昨日はわが零細企業の決算手続き、これに自治会の用事が入り、このところ依頼された篆刻印作り、と休まる暇がありません。哀れに思ったか、昨日は書道仲間さんが、ボランティアでマイガーデンの草取りと掃除をしてくれました。

 それはともかく。本題はナデシコジャパンであります。オリンピック準決勝で敗退して、それまで指揮していた高倉監督が辞任いたしました。2011年にワールドカップを制してから10年以上経過、佐々木監督の時も、あの優勝を頂点に凋落が始まり、特に欧州女子サッカーにおいていかれました。原因は、澤や宮間、熊谷、大野、などの実力者を押しのけるような若手の後継者が育たず、世代交代が遅れたのです。期待された田中陽子や京川舞・猶本光などが怪我もあって出番を失い、神戸レオネッサや日テレベレーザの選手を中心に、岩渕真奈ちゃんや中島などでなんとか結果をだそうとしてきましたが、やはり高倉さんも期待外れで、気ががつけばFIFAランキングも2位から13位まで下がっています。

 そして、4年前女子U-20ワールドカップ優勝という快挙を果たして、南萌華、宮川麻都;林穂之香、宮澤ひなた、長野風花、遠藤純、宝田沙織、植木理子 などが脚光を浴びるようになりました。

 高倉監督は、そうした若手の起用を避け、岩渕・長谷川の2枚看板と、中島依美、清水、熊谷などを固定して、レオネッサと日テレベレーザの選手を中心に戦いました。しかし、一方で国内連続得点王の田中美南や猶本はほとんど呼ぶことはありませんでした。

 そうして新監督がそのU20優勝監督池田太さんが就任しました。その新生ナデシコが今朝初めて国際マッチでアイスランドと戦いました。結果は0-2の敗戦。 予想通りU20の優勝メンバーを多く集め、一方中島や杉田妃和、オリンピックで脚光を浴びた塩越柚歩 などの中盤の実力ある選手を呼ばず、招集した中でも岩渕真奈、菅澤、DFの要の熊谷なども使いませんでした。ワタシのお気に入りの猶本を呼んだのが新たな試みではありました。

 ずっとテレビ観戦しておりましたが、いまだ寄せ集めで経験不足、相手の一人の選手にドリブルで突進されてそのままシュートをされ、2点目はロングパス一本に追いついた相手選手からのクロスをあわせられるという緩いでフェンスでありました。例えば攻撃は植木のポジションが悪く、シュートの体制が作れない、幾度もオフサイドになる、という不出来でありました。期待の小林里歌子もコンデションは良くないように見えました。アイスランドは寄せが早くディフェンスが強かったのは間違いありませんが、技術・スピード・パワーすべてに劣るという印象をぬぐえませんでした。

 選手交代は、得点を取りに行くより、未知数の選手をとりあえず試してみようという風にも見えました。次戦オランダ戦ではおそらくガラリと先発を変えるのではないかと思います。今までナデシコの主力だった選手の何人かは残すべきでしょう。例えば、杉田や塩越などは技術が高く中盤を作れますし、田中美南の決定力は健在で、何より傑出した岩渕真奈ちゃんにはもう少し頑張ってもらいたいと思います。

 女子のサッカー選手はまだ逸材がいっぱいいます。みんな集めて競わせ、なんとか女子サッカーを復活させてもらいたいのです。池田監督頼みましたよ。
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亀田鵬斎 孟彪孺皮  江戸時代に行く

2021年11月25日 | 書道
江戸の古典落語の中の登場人物で、実際の歴史上の人物が出て来るのはあまりいません。ほとんどが市井の庶民と、せいぜい武家やお奉行といったところです。その数少ない人名では最も有名なのが、「竹の水仙」「ねずみ」「木彫りの鯉」などの噺で登場する「左甚五郎」であります。だいたい、酒好きで一文無し、宿賃代わりに細工物を拵えるという筋書きが多いのです。

 また酒好きといえば出て来るのが「亀田鵬斎(ぼうさい)」であります。江戸中期の1700年後期から1800年代にわたって高名な書道家で、なかなかの頑固者、変わり者として、江戸の下町の長屋暮らし、貧乏しても、浅間山の噴火の折には家財をなげうって被災者を救ったとあります。書風も性格も豪放磊落、踊るような草書を書き、「蚯蚓流(みみずりゅう)と呼ばれたそうです。 あの贋作で有名な谷 文晁や良寛さんとも交友があったそうですが、幕府の文化政策で締め出され、奥さんにも先立たれ不遇でもあったようです。

 落語では、自分の孫を遊ばせて見失い、大騒ぎして探していると屋台で酒を飲ませる平次が孫を見つけてくれたお礼に、書を書き屋台の小障子に張ったのです。これが評判を呼びその書が高く売れ、しまいに屋台ごと25両で持っていかれました。おでん屋の平次さんも「一刻」な人物で、それまでも鵬斎さんにそのお金を持っていき、先生は受け取りを拒んで預かるだけとしていたので、「平次さんも50歳とお年だから、それではお店を出したらどうだ。預かったお金を元手にすればいい」と言います。平次さんは、貰うわけにはいかないので、借りるならいい、豆腐屋でも始めると言います。すると、鵬斎先生「では、店が出来たらわしが豆腐屋平次と書こう」、落ちは「それには及びません。それでは家が無くなります」となります。

 なんとも江戸前のきっぷがいい、話であります。「おでん 燗酒 平次殿」と書かれた書を見ると「飲みたくなる、飲みなさいっという文字だ」というのが良いですね。少し「おでん 燗酒」の文字を練習し、蚯蚓流で、そんな人を魅惑するような文字を書こうと思いました。

 すると、先日ヤフオクで落札した篆刻関連の書籍8冊が届きました。40年近く前に16,500円で出版された「字統」や字源字典など販売当時の価格で3万円近い書籍が6250円でした。篆刻の文字でまだ知識が浅くて読めない古代文字・甲骨文を学びたいと思ったからです。金文や小篆以前の「絵文字」然とした印を作りたいのです。

 ところが、中に小汚い冊子が出てきました。虫食いながら「漢篆千字文」と書かれております。
 源孟彪(もうひゅう)孺皮 さんの編纂であります。気になって調べたところ、本名は高芙蓉で、1722-1784に活躍した書画家・篆刻家で、日本の印章制度を確立して「印聖」と呼ばれたそうです。前述の鵬斎先生とは時代が少し重なっています。

 一応活版印刷のような体裁ですが、子細に見れば木版刷りの様です。手漉きの和紙に糸で綴じているので「復刻版」とは思えません。国立図書館にも収蔵されている全4巻の「字典」でありますが、裏表紙の由来や落款印などがおされていたはずの紙が剥がれているので真本でも大した値段にはなりますまい。(もしそうした関係者の落款印が残っていればたいした文書でありましょう)
 ワタシの書道関連資料としては、最も古いものでもあり日本の印章や篆刻の礎を作った人の字典なので、大事に保管しその印用の篆書体をじっくり学んでみたいと思います。

 この書籍たちは、実は200個以上の印材と一緒にヤフオクで出品されていたものです。ワタシの読みでは、(亡くなった)篆刻家さんの所有物の書籍であり、同時に出品されたのが刻印済みの印材なので、良材・プロの手になる彫りの落款印ではなかろうか、でした。これを逃す手は無かろうと一気に勝負に出て、「印材まとめて」の3件を落札したのであります。

その中身は・・・、予定の時間となりましたので続きはまた(笑)


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