やまろぐ☆つあれぽ

海外登山&トレッキングツア専門の
添乗員の自由日記と
家事育児の日常♪

ポポル・ブフ (と、謎)

2020-02-18 12:04:21 | 南米・中米
一昔前、「自分探し」という言葉、流行ったよね。
自分探しの旅とか。
わたしはそういうのうさんくさくて、笑、好きじゃないし興味ないけど、
(本当の自分など探さなくても今のその自分がどれも自分。笑)
たしかに旅に出て、新しい別の世界の中にいると
日常では考えないことや、感覚が、湧き出してくる。それが
自分探しという感覚に錯覚するのかな?
自分はこんなことも好きなんだなあとか、
新しい好奇心の扉が開かれて、そこにどっぷりはまってしまったり。
旅を重ねるごとに、
自分の奥側がさらに深く広がっていくの。
で、なにかがリセットされていくの。

家に帰ってきて、しばらく、遠い世界のことでボーっとしていて
いろんな周辺のちっさなことはほんとうにちっさすぎてどうでもよくなるような。
地球とすごい時間の流れの中のちいさな自分。

ヨーロッパから、アフリカ大陸から、
アジアから、アメリカも南米も
旅をしてみて、歴史を知っていくことは、
人間そのものの本質を知っていくことでもあるなあと。心底から思うわ。

*

マヤ文明。

今回のわたしの旅の記録用手帳は
歴史的な伝説と神話であふれている。
登山ツアーだったけど、お客さんたちもみんなが
まだこの続きを望む、というのはある意味
すごいことだとおもう。

遺跡を見てないからなんだけどね。グアテマラの
エル・ミラドール遺跡に行かなければ。マヤ遺跡の中でも
最古であり、5泊6日のトレッキングで
ジャングルの中を行くの。
ご参加のお客さんたちも「行く」って言われてたから、来年かな?笑

ガイドのマックスに
マヤの創世の神話「ポポル・ブフ」を全部聞いた。
わたしの手帳でその聞き取りに7ページにわたった。

(次回わたしのツアーにご参加の方にもこれを全部くわしく語るね)
魅せられること間違いないから。

人間の創世から
双子の男の子の2世代にわたる活躍なんだけど、
天国とこの世と地獄のことも描かれている。

18世紀のはじめに、チチカステナンゴの図書館で
マヤのキチェ語がラテン語で記されたこの本を見つけた
フランシスコ・ヒメネスが一文、一文、訳したあと、
これは聖書の真似だと断定して、
それから300年。
この神話のレリーフがエルミラドール遺跡から見つかり、
ポポル・ブフは聖書の真似どころか、聖書より
昔からマヤの人々に口承で伝わっていたことがわかったの。
このポポル・ブフを理解していれば
マヤ遺跡探訪が数倍楽しいとおもう。


聖母マリアが双子を抱いている。珍しいでしょ。マヤの文化とキリスト教がミックス

マヤの創世(ホポル・ブフ)の神話の中では
人間を最後に決定的に作ったのはトウモロコシの種、色の違う四種



それに、グアテマラの歴史がはじまった、
ペドロ・デ・アルバラードとキチェ族の英雄
テクン・ウマンの戦いの話。(わたしの手帳の聞き取りで2ページ半。笑)
馬から落ちて倒れているアルバラード(スペインの侵略者の大将)に
近づいて切り殺されたテクン・ウマン。

帰国してからちょっと調べてみたけど
わたしが知ってるほど詳しく書いてある資料は
なかったよ

テクンウマンの身に着けていた戦いの衣装は
グアテマラの国鳥ケツァールのようだった


*

マヤの(土着の)神様 マシモン

タバコをくわえていてお酒が好き。笑
親しみ感じるよね~


そのマシモンもキリスト教会のカテドラルの祭壇に
掘られている。


毎年交代で、このマシモンの像を管理する家があるの。そこに
お参りにいくの。お酒やタバコをもって。

*

マヤのツツヒル族その人々の村
サンティアゴ・アティトランで
マリアさんが伝統的な女性の巻きスタイルの帽子をかぶって見せてくれている

長い髪とこの長い紐状のベルトみたいなのを巻き付けていくの




町を歩けばカルフルな民族衣装


神様や鬼やそれを表現する方法は
人種や文化が違っててもどこか共通。


*

日本に帰ってきて、もういっこ調べてみたけど
なんの資料もないもの。
スペイン語で「en carnado」というらしいんだけど。

アンティグアの町にある、メルセー教会でのこと。

観光客は必ずいく有名な教会なんだけど、
そこの祭壇にあるキリストの像。この町の大きなお祭りの
行進にも駆り出される。


この、イエス・キリストの顔がね。肌がね。
本物に見えるように、当時の職人が
豚の腸を噛み続けて、それをなんらかの薬品と混ぜて
顔に塗って作ったと、
わたしの英語では何度確認してもそう聞いた。

口の中でくちゅくちゅして出して、と。



そんな技術あるの?


血が流れている。

この肌が?

これ、どこにも書かれてない。

ヨーッパの教会でも地元のガイドさんから時々、
本には書かれてない不思議なことをいろいろ聞く。
カソリックの教会にはなにか超越したような
逸話がいろいろある。聖遺物もそうだけど、ほんまなのかな、とか思うような。
なんか不思議で、忘れられない。

ちなみにこのイエスの顔の肉は
1654年にマテオ・デ・スニガという職人が注文して
作らせた技術なんだとか。

どなたか、ご存じだったら教えてださい。