月にはうさぎさんが住んでいて餅つきしている
でもうさぎさんだって
どこかに遊びに行きたくなる
ある日うさぎさんはお気に入りの
空色の風呂敷を持って地球にお出かけした
あちこちはねまわって
富士山を見たり、焼そばを食べたりして
毎日あんまり楽しくて月のことは忘れてしまった
秋になって、ススキの野原の中でふとお空を見上げると
黄金色のまんまるなものが輝いていた
お月様だ
自分が住んでいたところが
こんなに綺麗だったことに気がついたうさぎさん
きらきらひかるお月様の光を浴びていると
胸がほかほかしてきた
空色の風呂敷に小麦色のおまんじゅうをつつんで
あした、月に帰ろう
うさぎさんは思った