テレビ局にいた頃は技術系のことがさっぱりわからずにただただテレビを使って「何を伝えるか」に専念していました。使ってといっても今と時代は全然違って技術者がいないとテレビに電波を送れません。「ズームイン!!朝!」で人吉の山奥で奮闘している猟師の龍ちゃんに登場してもらい日本の山がいかに荒れてきているか、日本中が後数年も立たないうちにシカの惑星になってしまう危機感を伝えてほしいと考えても技術者が「あそこは通らん」といえばそれで終わり。
しばらくしてたまたま年配の技術者によくよく聞けば、なんてことない、ちょっと苦心して「ひと山登ってその中腹からマイクロを飛ばせば簡単」とおっしゃった。同じ技術者でも根性が違った。ひと山登る苦労を避けてきた若い技術屋さんたちは龍ちゃんの訴えの場を潰したことなどなんとも思ってなかった。で、こういう人達はいつも何やら新しい電子機器や機械が出たらいつも黙々と触っては楽しんでおられた。こういう痛い経験がいっぱいあるのである時から苦手意識を取っ払い、できるだけ新しい技術は手にすることにしているが、根本的に機械系やIT系は頭が回らないのでいまだに不得意分野ではある。
先日有楽町で久しぶりに会った佐用町の久保さんがツィッターをしたことないといってわたしのiphoneを見ながら自分の携帯であっというまにログインしてつぶやきはじめた。「凄い!!」わたしは本当に驚いてしまった。酒屋さんで呑みながらああだこうだといいつつ、つぶやきができてしまう人は絶対技術者だ。あらためて聞くとやはり久保さんは理系だった。
久保さんをはじめこの10数年間はかのひと山登った技術者の長老のように「任せとき」と言ってくれる人種が多いので安心して付き合っていられる。そして最初に戻れば今ツィッターでつぶやき続けているのは基本的に技術系の人が多いという印象です。わたしのような文系でつぶやいている人は気配からしてあまりいないようだ。まして熊本の龍ちゃんのような人はまだツィッターを知らないはず。ソフトバンクの携帯も無理だろうなあ。そういう意味ではいまだマイペースでイノシシやシカ撃ちに精を出している龍ちゃんは身体感覚満点で頼もしい。日焼けした顔からニコッと白い歯が眩しい。
わたしの一人テレビ局+Action Media+ 住民ディレクター構想は山江村の松本さんと水上村の龍ちゃんから出発している。二人がツィッターもばりばり使える時代は射程距離には入ってきているので、まずはわたしが使ってみている、というのが本音です。あの人たちがツィッターに入る頃にはすっかり時代遅れになっているでしょうが、そうなるとつぶやきや会話はぐっと面白く身体から発することばに満ちあふれていくことでしょう。そうなれば身体が動くメディアに変容していくと感じます。
便利な道具は次々出るのですが最初から簡便さがついてくるともっともっと生きてくるはずです。文系と共にひと山でも気軽に歩いてくれる技術者さんの時代でもあると感じるのですが。
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