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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

無名の21歳女性と東国原知事と新しいテレビ

 昨日NHKアーカイブスの番組を見ていたがとてもよかった。やはりNHKには独自の役割があったんだなあとつくづく感じた。「野菊のたより」という番組の途中から見たのだが、田舎の農家でばあさんと二人で暮らしている21歳の女の人の話だった。二人きりのようで、田畑をすべて任されているが収入が少ないので季節によっては出稼ぎに出て、都会の飯場で働く姿などが映し出される。ある人(昔で言う文通の相手のようだった)への手紙の形をとってその時々の気持ちを彼女の手紙を読む声で伝えていく。その手紙が心にしみる。白黒のフィルム時代だから演出も多分にあっただろうが、彼女の表情が自然で、これはもう住民ディレクターだった。

 長期取材をすると仲良くなり、結果的に友達感覚になっていくので表情も次第に自然と出てくるのだが、彼女の手紙の言葉が明確に本人の意志を伝えていた。都会に出ると若い男女のロマンスもあり、恋愛映画などを見て楽しく語らう光景にも憧れるが、自分にはそういう光景とは関係なくひたすら飯場で働きお金を貯めて、故郷で待つばあちゃんを楽にしてあげる暮らししかない。でもそういう人間がいることを非常に力強く訴える。田舎に農業をしに来てくれる男性(養子さんを迎えるしかない?)が一体いるのだろうか?と、結婚に関しても悶々とした不安にさいなまれる。

 住民ディレクターの原点、「人は知られることで元気になる」を思い出した。彼女はたまたまあの時代にNHKに取材されたので堂々と世の中に自分の存在を訴えられた。同じ境遇や志を持っている人たちの共感を得ただろうが、その人たちがNHKを見るゆとりがあったかどうか?我々の大先輩であるこの21歳の女性と取材して伝えてくれたNHKの大先輩たち。我々はこの人たちと繋がっていきたい。この精神をリレーしていきたい。テレビはいよいよお笑い芸人のバラエティーショー的なものが増えている。この芸人の人たちも個人個人はきっとあの21歳の女性と同じようなドラマがあったし、今もあるのだろうが、テレビ画面でやらされていることは全く違うものだろう。東国原知事が昨夜も生出演していたが、この人を支えるのが後輩(たけし軍団の後輩?これも途中だったのですみませ)の一人では先が心もとないだろう。

 東国原知事が住民の声を反映するタレント(芸人とは違う意味での新しい才能)だとしたら、地域の声をプロデュースし、発信する住民ディレクターの役割はこの時代に求められるのではないだろうか?
(写真は島根県から見た朝の日本海)

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