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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

穏やかな正月の初夢?!、「国民活用テレビ」元年

 予報に反してとてもいい天気で過ごしやすい正月二日間だった。この二日間テレビを見なかったので静かで和やかな正月になった。さっきニュースでもと思い、ついつい少し番組も見ていたら、やっぱりひどい。特に正月番組はひどい。

 最近、地域を扱った番組が増えているが、局のアナウンサーだけがはしゃいでいて地域の人たちの顔が見えなかったり、予定調和のセリフを言わされているのが見え見えだ。「地域」が話題になるケースが増えただけで(それは都市の話題が飽きられてきたからに他ならない)中身が地域密着になったわけではない。ひどいのはこんなのがあった。地域の人が若い頃ミュージシャンを目指していたが、今は米屋を経営しており、とうとう音楽好きが高じて「お米の歌」をつくってしまった。番組は地域のCMを競うというものでその地域のCMが発表されるのだが(このCMは局の人間が作っている)この米屋さんの歌は本人が歌うのではなく(恐らくプロの女性が唄っている)本人は映像ではギターを持って子供たちと歌っているが、彼の声、演奏は一切出ない。音はない。呆れた・・・。CMの前のメイキング(CMができるプロセス紹介映像)にはご本人が歌っているところが出ているが、あくまで前座か?

 産地を偽った食品問題が次々と明らかになっているが、この番組の発想は産地偽装、トレーサビリティーの問題と同じレベルのことをしているのではないか。映像、情報という商品を産地からとってきてテレビ局という工場で加工して発信して、いかにも○○県産といって流してる偽装情報ではないのだろうか?結局全国各地の人々や土地ならではの話題がテレビ局という工場を経て洋楽やクラシックなどの音楽に乗って出て行く。○○県の民謡や素人作の歌では信頼できないというようにまったく違った空気の音楽が平然とまぶされている。取材に応じて一生懸命やってくださったあの皆さんは放送を見てどう感じられているだろうか?「テレビに出れただけでもいいか。」という話はあると思う。が、「しょうがないよな、彼らには俺らの気持ちはわからんよ。・・・」と続くのではないか。実際私はテレビ局でこういうことをやってきてしまって、生の声で「あんたらにはわからんやろね」と何度も何度も言われてやっと気づいた人間だ。今こそ怒っているが、体験もあるので仕方がないか、と反面では思う。が、今はそれではすまない。どうするか、がいつも私は問われている。

 昨年から隠岐の島の海士町に通っているが、この町にはキンニャモニャという面白い歌詞と振り付けの民謡がある。実は熊本にそのルーツがあって熊本民謡「キンキラキン」「ポンポコニャ」のお囃子詞が「キンニョムニョ」といい、西南の役に従軍した隠岐の男が酒席で身につけ持ち帰ったといわれている。ルーツは勿論定かではないところがあるが、海士町では町民全員がキンニャモニャを歌えて踊れる。両手にじゃもじをもって独特の動きをするのが楽しいが、ある時期、地元テレビ局がしゃもじをもって町中を歩き、踊ってくれるように頼んだら、最初は断っていた人たちもアナウンサーが横で歌を歌うと自然としゃもじをもって誰もが踊りだしたという。このときのアナウンサーはズームイン!!朝!の当時の私の同志だったらしい。アナウンサーが地域のことをやるならこれぐらいの気構えでやってほしい。当時、役場の担当をしていた職員が今でも語り草のように楽しそうに話してくれる。

 今はテレビはほとんど見ないのだが、この12年間テレビをやめて、やり始めた住民ディレクター活動は地域づくりの手法であると共に新しいテレビ作りといってもいいかと思っている。ただ既存のテレビを大いに参考にさせてもらっているし、コピーから始まっているので、既存のテレビ批判というよりも「地域住民テレビ」「国民活用テレビ」のようなものを新しく作る方向を目指す。が、地域の人たちが絡んでいると、ついつい文句を言いたくなるのはお許しいただきたい。先に作ることだと思って動いてきたのだが、やっと今年が「地域住民テレビ」「国民活用テレビ」元年を迎えたようなところだから。

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