この日はの講演は私自身もいつも以上にヒートアップして時間も大幅に超えてしまいましたが、夜の懇親会で先述の山下さんと意気投合し、「今からでも一緒に船で五島に行こう!」というぐらいの熱いお誘いを受けました。こちらも酒の勢いもあって、しかもいつもながら1週間ぐらいは過ごせる「暮らし道具」は二つのカバンに詰め込んで来てましたので「行くかあ!」という気になっていました。が、流石に翌日は日本の地域情報化推進につとめてきたCANフォーラムの十周年の総会がありそこで披露するDVDもパソコンの不調でまだ今夜やらないといけないし・・・、と理性が働き、踏みとどまりました。が、山下さんの人間性、「人間くささ」、といったほうがあたるほど人間の存在感を感じ、五島に行くしかない、と決め近いうちに必ずお邪魔することで合意!?しました。
山下さんに「山江村の松本佳久さん」をみたのです。キャラクターや雰囲気は全然違うのですが「大地の人間」という感覚、「山江を知ってほしかよね」と松本さんがつぶやくあの郷土愛、「山江のような自然はどこにでもあるじゃろうが、山江の川はきれか、夏は泳げます、つつじも咲きます・・・」と、とつとつと語る松本さんの瞳の奥に光る子供のような純粋さでした。呼んでもらうからには、こちらも必ずお役に立てるようにとの気持ちも自然と湧いてきます。いつも感じますが出会いの一瞬で決まる、という感じです。こういう機会も実は九州総合通信局の長崎県への紹介や長崎県の近藤さんの計らいがあって実現しました。近藤さんは少し前に佐賀県に私がお邪魔したときにわざわざ講演を聞きに来てくださって(話はまとまっていましたが)、一瞬お会いして、「この人なら任せよう」という気になりました。
全国行脚していて自分自身がそうなのでネットワークそのものもそうなるのだとは思いますが、住民ディレクターの一番の源にある共通したものは「人間くささ」だと思います。理屈は色々とつきますが、結局いつも理屈ぬきのことばかりやっているわけで、それはパワーポイントやワードできれいに図式化して説明できるものではありません。この日は実は我ながらすごく頑張ってパワーポイントの資料を作っていきました。しかし、5分も話しているうちにパワーポイントの順番や操作が話の腰を折ることに気づきやめちゃいました。順番を気にせずにいける資料は使えたのですが。
住民ディレクターはやっぱり生身の人間感覚だ、とつくづく感じたのです。それは場の空気です。パワポを操作しているうちに止まってしまう感覚、場の空気を冷やしてしまう感覚を感じました。私の操作技術の問題もありますが、実はこのことは熟練のパワポ操作者の講演でもよく感じていたことでした。これぞITの落とし穴です。技術に走るとロクなことはありません。現場は読み言葉ではなく話し言葉です。話し言葉が会場の皆さんとしっかり交流できるかどうかを決めていきます。
いつもながら呼んでいただいた上にこういう体験をさせていただき、この仕事の有り難さを感じる長崎、五島でした。
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