岸本晃の住民プロデューサーNEWS

身体と暮らしの道具、暮らしの運動

 メタボリックシンドローム(内蔵脂肪型肥満が病気を引き起こす状態)の防止に企業が乗り出すというニュースがあった。サラリーマンが一日数キロメートル歩くことが義務化され、腹回りが何センチになったとかを記録するらしい。真面目に企業がこんなことをやっている。業績が上がっても社員のメタボが多いと信頼されない、と、真剣に答えている企業の上層部の話もあった。
 この25年間ビデオカメラを持って取材したり機材をかかえて歩き回るという生活が普通なので自然と運動になっている。特に11年前からは全国行脚が始まり道具類と衣装類の大きなバッグを二つ担いで歩くので、暮らしそのものが運動だ。東京の地下鉄を利用するときは、多くの場合エスカレーターも使わないので中国で山登りをしても普段鍛えている足腰が役立った。パソコンだけで一日を終わる人とは違い、毎日ダイナミックに身体を使う。パソコンだけで過ごしている人たちは頭でっかちになりやすいと思う。身体を動かさずに置いているから特に地域での農林水産業の方々の働きぶりや発想、暮らしの流れとは対極にある。畢竟、過疎地域や限界集落の現場のことは理解しにくいと思う。農家にとっての耕運機やコンバイン、主婦の包丁やまな板、買い物カゴと同じように住民ディレクターにとってはビデオカメラは暮らしのメモ帳、道具だ。人によっては車にいつも乗せていたり、買い物カゴに常備していたりと様々だ。カメラがあると歩くし、アンテナを張っている。水害の時は被災地の土砂や岩をどけたり、箪笥を運び出す合間に撮影したり、手がすいた時に誰かが撮る。活動と共にカメラが動き、運ばれ、躍動する。暮らしを映し出す道具として溶け込んでくれれば素晴らしい能力を発揮すると思う。私自身はテレビ局でカメラの撮り方を鍛えられている頃から、むしろ農林水産業や主婦の皆さんからカメラの使い方を学んだのですっかり身体の一部になっている。「あっ」と思った瞬間、ボタンを押している。そののちにおもむろにレンズをそっちに向けていく。ブレブレだが、ガンマンのように早打ちには自信がある。今回の中国でもやはり日頃がそのまま出た。足で稼ぎ、親指で撃ち(カメラのボタンを押す)「身体がカメラ」を実践していた。

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