先日同じ東京でも赤坂プリンスホテル前で多くの鈴虫がリンリンと競い合っているかのような涼しげな音色を聞かせてくれたのは全く対照的だ。どちらもあるのが東京なのだろうが、渋谷はやはり「テレビ」の世界そのものだ。テレビのスタジオやセットが原色に近い色合いが多く、タレントが身につけている服もギンギンギラギラで渋谷の街がすっぽりそのままテレビに入ったような感じだ。
それに対して住民ディレクター番組は実に地味だ。何しろ日頃のまんまで出て、終わったらそのまま仕事に帰るから。農家の人はヤンマーの帽子をかぶってることが多いし、時にはつなぎもヤンマーだ。行政マンは白いカッターシャツにネクタイ・・、という具合に地味だ。最初の頃はテレビマンでありながらこのギャップに妙にとらわれていた。局のスタジオでやる番組はカッコいいが、外で取材する、特に田舎番組は地味でなんか暗い空気がある。何とかならないのか?と。
音もそうだ、タレントの番組はやたらと話の途中に音楽が入ったり、文字が入ったり、SE(サウンドエフェクト;音の効果という意味)があったりでとにかく賑やかだ。テレビの中にいるとこの感覚が当たり前になって、次第に自然の音や色合いに鈍くなっていく。タイトルに到っては、ズームイン!!朝!のように「!」とか「?!」とかが必ず着く。「!」や「?」がないと却って目立っていいのでは、と思うほどだ。といいつつ私もこのあたりは相当鍛えられたのでまだ癖が抜けないのが実情だ。
さて、ということで住民番組の最大の特徴は「いつもの感じ」で出てることだがこれは簡単なようで難しい。勿論、テレビに映るので100%いつものままということはありえない。どこか背伸びしたり、かっこつけてしまうことは当然ある。しかし山江村や人吉球磨地域の人たちはこれが見事にうまい。うまいというと意識的なようだが自然体に近いので凄い。これを「技術」とはいはないがあえて「術」といえば、人吉の自然体の術はかなり売れ筋の商品になる。昨日紹介した人吉の交流大学は実はこのあたりも含まれていて、ご本人たちにはわからないのがまた味噌で(普通にやってるから自分たちには何が魅力かわからない)、益々人気を得る所以だ。
全国各地でいろんなツーリズムが行われているが、この「ひと」とecoとmediaをミックスしたツーリズムの総合的な魅力は高い。さらに食、温泉がある。そしてなんといってもひとだ。一見渋谷を楽しそうに?歩いている青年たちや携帯を振り回している女子高生、背中が曲がってしんどそうなサラリーマンの人たちに一度は人吉球磨のひと、自然、食、温泉がひとつになって味わえるツアーに乗っけてあげたい。その代わり来たら来たらで鍛えられる覚悟はいるかもしれないが・・・。
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