とうほうTVが開局してからまもなく4ヶ月になりますが村に起こったことで最も顕著なのは村人が元気になったことだと感じます。
もう少し正確に言うと元気な村人が増えた、ということです。これまであまり知られることがなかった一人暮らしの高齢者や、貢献度は高いのに実際の活動が目に見えにくい方々が映像で可視化されたからです。民生委員・児童委員さんはその例です。もともと高齢化率は36.5%と福岡県内では一番です。役場の隣に立つ保健福祉センターいずみ館では予防介護や予防医療の催しがよく開かれていますので高齢者の皆さんと会うことが多いです。
とうほうTVは予防介護、予防医療、高齢者見守りなどの情報をできるだけ番組化してきましたので全体的にテレビ画面に高齢者の方々が登場するチャンスが多いのです。そうなると自然と高齢者をサポートする民生委員さんやヘルパーさんらも顔を出すことになります。地道な活動なのでこれまではこういう仕事や活動に関わっておられる方の現場はほとんど知られませんでしたがとうほうTVがしょっちゅう放送しますし、再放送も多いので村人の目にとまることが多くなりました。
東峰村の方々は元々奥ゆかしい方が多いのであまり「出たがり屋さん」はいないので取材に困りますが、結果的に出てもらえばいろんな人から声を掛けられます。「大変なんだね」「がんばってるね」「見たバイ」と短い言葉でも掛けられるだけで人は元気になっていきます。
15年前放送評論家の志賀信夫さんが「人には知られる権利があるんだ」とよくおっしゃっていました、その権利を保障することが市民メディアの大きな役割のひとつともおっしゃっていました。あれから15年、知られる権利を保障するメディア「とうほうTV」が自然豊かで奥ゆかしい人々が住む中山間地に生まれ育まれています。