制作会社の園田君(写真真ん中)が今年1月から加わり、半年を過ぎ、やっと本気で「使えるTV」を使い出した。今回からチーフディレクターを一任、久しぶりに彼の会社のスタジオにて収録することになったが、行ってみてびっくり!大きなクロマキー用の青紙が張られていた。(クロマキー;色の違いを利用した画面合成の手法。青紙の所に別の画像をはめこむテレビの手法。よくテレビで司会のバックに海や街の風景などのニュース映像が大きく映っているのを見ますよね)
今回は編集もお任せだからクロマキーに何が映るのかが楽しみだが、私の話題は福岡県東峰村の住民ディレクター、棚田がバックに広がるのだろうと思う。
そもそもこの大変面倒な手法や、技法に気をとられ、肝心の伝えるべき内容がない、または非常にうすっぺらだということで、疑問を感じ、テレビ局を退職したのだった。素人の作り手が気ままに発信できる「使えるTV」が再び、技術、技法を取り入れることになってきた。1998年のくまもと未来国体前年から住民ディレクターをやっている澤啓子さん(写真右;熊本市)も今は民放の住民レギュラー的な存在だが、もっとも気軽だった「使えるTV」の変化に驚いたよう。
しかし、時代は3巡目に入った、と感じている。(1)最初の14年の民放現役時代。(2)退職して一人から始めた住民ディレクター、模索、チャレンジの連続。(3)それから11年、全国10数地域に広がり、おそらく概数で1000人は軽く超えた住民ディレクター体験者がいる今、新しい3つめの段階に入った。
ユーチューブをはじめ素人がビデオを持ち、発表する機会は圧倒的に増えた。放送、通信共に急激に増えた。園田君のようなプロでさえも、素人ビデオ風に思う存分好きなことをしてみたい。しかもそれが放送できるのはとっても魅力のようだ。ルーティンワークは今まで以上にやり、夜中に自分で買ってきた青い画用紙をセロテープでつなぎ、たたみ3畳もある大きなクロマキーを自分でつくってきた。
企画すること、自分で全部できることがとても楽しいみたいで最近イキイキしている。きっとそのことは仕事にも生きているはずだ。住民ディレクターは本来、素人の住民がテレビ番組の制作プロセスを経験することで、企画力を身につけ、地域づくりに活用するとう発想だった。いまや、プロの制作者が、素人の番組作りのノウハウ(と、いっていいかどうか・・・)を吸収し、逆に仕事に生かしている。
この話は深い話なので、またどこかで話すが、私としてはこの状況は何かをやろうとしている住民の方々には本当に面白いところに来たと強く感じている。
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