黒仁庵 ポケットにバイクを忍ばせて。

五感で感じる情報を、どうしたら活字に出来るか、考えてみよう。
それが出来ると、五感が研ぎ澄まされるって不思議がわかる。

パライソとは何か。ウミガメの来る町。

2017年07月02日 | 日記

福岡、福間海岸。

ヘミングウェイの落日を思わせる。

福岡は日本海側に位置するので、陽が海に沈む。

大瀧詠一を聴きながらマイタイでも飲みたいが、車で来てるからそれも出来ない。


この辺に住んでる人は夏中パラダイスを味わえるんだ。(冬は冬の日本海です)

福津の街はこの海に隣接して無料駐車場を作ってくれてて、これから本格的な夏。
夜は福岡市の夜景。 海岸沿いに洒落た飲食店がたくさん出来てる。
高校の頃、な〜んにもなかった。片田舎の漁村と言って良かった。

現代人は「どんだけ癒されたいんだ」って言うくらい癒しを求めてる。


リゾート地っていうにはいささかお粗末だが、それにはちょっと理由があるのです。


福津市は市役所内に「ウミガメ課」って部署があり、ここに産卵にくるウミガメの保護活動を官民一体でやっていた。。

アオウミガメの産卵場所はウォーターフロントリゾート計画により日本中で少なくなっていると言う。
福津市は「人も来て欲しい。ウミガメも来て欲しい」と頑張っている。
「そりゃ無理っしょ」って言われた。
事実、ここのウミガメは絶滅した。
何を得るのに何を失えば良いのか……
皆が「それでも人さえ来れば町は潤う」

ウミガメ課は諦めなかった「ウミガメが来ん海岸に人来ても意味がなかろうもん。ウミガメを守るっちゃ人ば、海ば、守るとと一緒たい」
水質調査、し尿排水の管理の徹底。なにより「海岸の清掃」を徹底的にやり続けた。
バーベキュー、花火、車の乗り入れ禁止。ウミガメの産卵を助けるって事は海を綺麗にすることに他ならない。

昨年2016年夏、実に5年ぶりにアオウミガメが帰って来た。
100数十個のウミガメの卵を発見した時は皆が泣いた。

「全部が喜ぶ仕事ばしよるとです。みんなここに来てください」

人間だけのパラダイスなんかない。