「アマテラス」は女性神か?男性神か?『古事記』を通じて考える。①の続き。
『日本書紀』では、天照大神と表記されています。
別名では、日神(ヒノカミ)、大日孁貴神(オオヒルメノムチ)と言う記述されており、
天照大神や別名の日神については、性別を判断する事はできませんが、
大日孁貴神の孁(メ)と言う漢字は女性を表す漢字ですので、性別は女性神として判断できます。
ちなみに「孁」の字に妻や巫女の意味があるから、オオヒルメは神の妻、巫女であり、
祀る者が祀られる者になったとの説がありますが、最古の漢字辞典とされる
『説文解字』の説文解字に「孁:女字也。从女霝聲。」と記載があります。
「女字也」は「女という意味の字」と読むことができますが、
「妻」、「巫女(中国の場合は巫)」とはどこにもありませんので、
孁の字に「巫女」という意味も「妻」という意味もないと判断して良いと思います。
画像リンク先:京都大学人文科学研究所所蔵 重刊許氏説文解字五音韻譜十二卷 巻第六(10/55)
また、『日本書紀』の第九段一書(八)ある書によると、天照国照彦火明命
(アマテルクニテルヒコホノアカリノミコト)として男性を表す「彦」を使用した神名があります。
天照大神と同じ「天照」の漢字を使用していますが、こちらは
正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)が
高皇産靈尊(タカミムスビノミコト)の娘 である、
天萬栲幡千幡姫(アマヨロズタクハタチハタヒメ)を
娶って妃として生んだ子と記載があるので、天照大神とは別の神と判断します。
同様に、天照大神と同じ「天照」の漢字を使用している、
『先代旧事本紀』に出てくる、天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊
(アマテル クニテルヒコア マノノホアカリ クシタマ ニギハヤヒノミコト)と言う神名がありますが、
『古事記』では、天火明命。『日本書記』では、火明命、天照国照彦火明命。
と表記されている神名なので、天照大神とは別の神と判断します。
「アマテラス」は女性神か?男性神か?『古事記』を通じて考える。③へつづく
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『日本書紀』では、天照大神と表記されています。
別名では、日神(ヒノカミ)、大日孁貴神(オオヒルメノムチ)と言う記述されており、
天照大神や別名の日神については、性別を判断する事はできませんが、
大日孁貴神の孁(メ)と言う漢字は女性を表す漢字ですので、性別は女性神として判断できます。
ちなみに「孁」の字に妻や巫女の意味があるから、オオヒルメは神の妻、巫女であり、
祀る者が祀られる者になったとの説がありますが、最古の漢字辞典とされる
『説文解字』の説文解字に「孁:女字也。从女霝聲。」と記載があります。
「女字也」は「女という意味の字」と読むことができますが、
「妻」、「巫女(中国の場合は巫)」とはどこにもありませんので、
孁の字に「巫女」という意味も「妻」という意味もないと判断して良いと思います。
画像リンク先:京都大学人文科学研究所所蔵 重刊許氏説文解字五音韻譜十二卷 巻第六(10/55)
また、『日本書紀』の第九段一書(八)ある書によると、天照国照彦火明命
(アマテルクニテルヒコホノアカリノミコト)として男性を表す「彦」を使用した神名があります。
天照大神と同じ「天照」の漢字を使用していますが、こちらは
正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)が
高皇産靈尊(タカミムスビノミコト)の娘 である、
天萬栲幡千幡姫(アマヨロズタクハタチハタヒメ)を
娶って妃として生んだ子と記載があるので、天照大神とは別の神と判断します。
同様に、天照大神と同じ「天照」の漢字を使用している、
『先代旧事本紀』に出てくる、天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊
(アマテル クニテルヒコア マノノホアカリ クシタマ ニギハヤヒノミコト)と言う神名がありますが、
『古事記』では、天火明命。『日本書記』では、火明命、天照国照彦火明命。
と表記されている神名なので、天照大神とは別の神と判断します。
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