魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(1)

2017年07月20日 | 民俗学探究
中世神話とは、中世に作成された、
おびただしい注釈書・神道書・寺社縁起・本地物語などに含まれる、
宇宙の創世や神々の物語・言説の総称である。

『中世神話』の著者、
山本ひろ子氏が著書で述べている所、そのほとんどが、自立した作品で
はなく、断片的記事にすぎないにもかかわらず、
これらを中世神話と命名しうるのは、

①記紀神話や仏教神話などの、先行する神話物語に取材し、
 すべからくそこから出発している。

②その神話的思考が、神道書や縁起・物語という作品世界を
根底で支えており、中世の宗教思想の一大潮流と考えられる。

以上、2点の理由が有るからである。

この、中世神話を生んだ中世社会は、それまでの天皇や貴族が中心であった
政治から武士が中心となった政治が始まることによって経済・文化なども
大きく変化した時代である。

政治では、貴族政治の荒廃を背景に武士が台頭し、やがて武家政権が
誕生し武士による政治が展開していった。

対外的には,元寇とその後の影響によって中断したこともあったが,
東アジアとは交易などで活発な交流が見られ,それを背景に,経済的・
社会的には,産業や交通が著しく発達し民衆の生活が大きく変化し、
古代から伝わってきた

民俗信仰である神道についても、大きく変貌を遂げて行くのである。

この、古代から伝わってきた民俗信仰である神道の変貌について、
神仏習合をキーワードとして説明して行く。

「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(2)へつづく

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中世日本文化の形成―神話と歴史叙述
桜井 好朗
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