中世神話とは、中世に作成された、
おびただしい注釈書・神道書・寺社縁起・本地物語などに含まれる、
宇宙の創世や神々の物語・言説の総称である。
『中世神話』の著者、
山本ひろ子氏が著書で述べている所、そのほとんどが、自立した作品で
はなく、断片的記事にすぎないにもかかわらず、
これらを中世神話と命名しうるのは、
①記紀神話や仏教神話などの、先行する神話物語に取材し、
すべからくそこから出発している。
②その神話的思考が、神道書や縁起・物語という作品世界を
根底で支えており、中世の宗教思想の一大潮流と考えられる。
以上、2点の理由が有るからである。
この、中世神話を生んだ中世社会は、それまでの天皇や貴族が中心であった
政治から武士が中心となった政治が始まることによって経済・文化なども
大きく変化した時代である。
政治では、貴族政治の荒廃を背景に武士が台頭し、やがて武家政権が
誕生し武士による政治が展開していった。
対外的には,元寇とその後の影響によって中断したこともあったが,
東アジアとは交易などで活発な交流が見られ,それを背景に,経済的・
社会的には,産業や交通が著しく発達し民衆の生活が大きく変化し、
古代から伝わってきた
民俗信仰である神道についても、大きく変貌を遂げて行くのである。
この、古代から伝わってきた民俗信仰である神道の変貌について、
神仏習合をキーワードとして説明して行く。
「中世神話」と民俗信仰のかかわりについて(2)へつづく
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おびただしい注釈書・神道書・寺社縁起・本地物語などに含まれる、
宇宙の創世や神々の物語・言説の総称である。
『中世神話』の著者、
山本ひろ子氏が著書で述べている所、そのほとんどが、自立した作品で
はなく、断片的記事にすぎないにもかかわらず、
これらを中世神話と命名しうるのは、
①記紀神話や仏教神話などの、先行する神話物語に取材し、
すべからくそこから出発している。
②その神話的思考が、神道書や縁起・物語という作品世界を
根底で支えており、中世の宗教思想の一大潮流と考えられる。
以上、2点の理由が有るからである。
この、中世神話を生んだ中世社会は、それまでの天皇や貴族が中心であった
政治から武士が中心となった政治が始まることによって経済・文化なども
大きく変化した時代である。
政治では、貴族政治の荒廃を背景に武士が台頭し、やがて武家政権が
誕生し武士による政治が展開していった。
対外的には,元寇とその後の影響によって中断したこともあったが,
東アジアとは交易などで活発な交流が見られ,それを背景に,経済的・
社会的には,産業や交通が著しく発達し民衆の生活が大きく変化し、
古代から伝わってきた
民俗信仰である神道についても、大きく変貌を遂げて行くのである。
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神仏習合をキーワードとして説明して行く。
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