ねえ 休暇を取ってよ
いいけど どこに行くんだい
それは行ってのお楽しみ
と言うわけで僕らは羽田を発って小さな島に着陸した
ホテルにチェックインすると
小さなボートで海にでた
空は晴れ渡り 海はマリンブルーに輝いていた
やがて船は浅瀬に乗り上げた
そこは砂の浅瀬で はっきり言って何もなかった
いい これからよ
30分もしない内に潮が引き砂浜の島が現れた
そして見る見る砂は乾いて白くなった
突如現れた砂浜には どこから飛んできたのか 白い小さな鳥の群が舞っていた
凄い
綺麗でしょ 幻の島と呼ばれているの
昔ガイドブックで知ったけど今日まで来るの我慢してたの
どうして?
こんな素敵なところは 最高に素敵なひととって決めてたから
じゃあ 僕が最高に素敵なひとなわけ
さあね
その時真っ白なワンピースが 浅瀬に飛び込んだ
びっくりして僕も飛び込み 君を抱え上げた
ほらね こんな時 大抵の男は一緒に飛び込んだりしないわ
僕らは服を乾かしながら 手をつないで真白い島を歩き回った
そして先程の白い鳥たちは いつの間にか僕らの頭上を舞っていた