昨年のクリスマスの夜
僕たちは巨大なクリスマスツリーの前で出逢った
お互いの相手が来ないまま一時間
どちらからともなく 苦笑い
それから一年 二人とも内気な性格から
相手の気持ちを探れないまま 自分の気持ちを伝えられないまま 時が過ぎた
そしてクリスマス 待ち合わせは想い出のクリスマスツリーの前
今日こそうち明けようと心に誓った
君は時間通りにやってきた
手には小さな手作りの赤い箱を持って
あのね 今日こそ言おうと思ったんだけど
君は右手で僕の言葉を止めた
ねえ 私のこと好き? 好きならこのクリスマスプレゼントあげる
僕は箱を受け取り 開いた 小さなカードが入っていた
取り出して読んだ
「キス一回 想い出のクリスマスツリーの前で」
ドキドキした 他に人もいるのに
でも君はもう目をつぶって少し上を向いている
僕も目をつぶり君に唇を重ねた
長いキスだった
その時間は永遠にも感じた