「戒」
人生は虚無だ、孤独だ、いや美だ、といろいろ言われます。
間違ってはいません。
しかし、それらにはいずれも、何かしら自分の方から人生を見ている目があります。
人生は与えられたものなのですから、そういう見方では見誤ることになりましょう。
見られているように、人生は見ねばなりません。
私を見ているその目、それを戒と言います。
生きる上で何らかの戒を避け難いのは、
それが無いと無秩序になるという実利的理由によるのではなく、
人生のこの基本的構造によるのです。
戒を忌避した生き方は、人生観の貧困を示すだけです。
『神の風景』p122 藤木正三著
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