【ホモ・エレクトス】
170 - 180万年前、アフリカ東部で誕生したホモ・エレクトスは、アフリカを出てアジアでも繁栄しました。
ホモ・エレクトスとは「直立した人類」という意味です。北京市で発見されたホモ・エレクトスを「北京原人」インドネシアで発見されたものを「ジャワ原人」と言います。中国では、北京原人の化石を竜骨という漢方薬として使っていました。現在では、ホモ・エレクトスは、アジア人の祖先ではないとされています。そもそもは、ホモ・エレクトスは、人類「ホモサピエンス」の直接の祖先ではありません。ホモサピエンスと共通の祖先から枝分かれした別の種族だからです。ただし、同じホモ属には分類されています。ホモ・エレクトスは、隔離された地域で、独自の進化をとげました。ちなみに、現在では絶滅しています。
【火】
ホモ・エレクトスは、もともと木の上で果実を食べていました。寒い時期に、その果実が減ったので、食べ物を求めて地上へ降りたとされています。主に「いちご」「ブドウ」「キノコ」「クルミ」「肉」などを食べていました。ホモ・エレクトスの脳容量は、猿人と旧人の中間くいで、現代人の75%だったとされています。比較的、知能が高かったので、さまざまな道具を生み出すことが出来ました。その一つが、握斧「ハンドアックス」という打製石器です。それを使って、他の動物が食べられないような殻が硬い木の実でも割ることが出来ました。そこから出てきたのが「でんぷん」の塊です。はじめホモエレクトスは、それを美味しいと思わずに食べていました。しかし、それを変えたのが火との出会いです。加熱調理によって、デンプン「ブドウ糖」の質を変化させ、おいしく食べられるようになったとされています。ちなみに、火は、暖をとるためにも使われました。火は、もともとは「火山噴火」「雷」などから発生したものを利用していたとされてます。後に木と木を擦り合わせて、自力でも起こせるようになりました。
体内で、ブドウ糖が主に使われる場所は脳です。その脳は、最もエネルギーを必要とする臓器とされています。ホモエレクトスが、火を使い始めた頃、ブドウ糖を大量に摂取しました。そのため、神経細胞が増殖し、脳が二倍以上に巨大化したとされています。
【狩り】
ホモエレクトスの身長は、150~180cmで、現代人よりも頑丈な体だったとされています。その身体的特徴は、足がまっすぐ長く、体毛が薄いことです。そのことが長距離を走ることを可能にしました。ホモエレクトスは、走るのが得意な長距離ランナーだったとされています。動物は、たいてい体毛に覆われているので、体温をうまく下げることが出来ません。長距離を走ると、たいてい熱中症になってしまいます。ホモエレクトスは、もともと、死体漁りをしていました。しかし、長距離を走れるという特性を活かして、積極的に狩りをするようになったとされています。その狩りは、獲物が疲れるのを待って、熱中症に追い込むというやり方でした。
ホモエレクトスは、日常的に栄養豊富な肉を食べたことで、脳が発達したとされています。知能がさらに高くなり、心も進化しました。思いやりの心が生まれ、介護もするようになったとされています。そうやって仲間との絆を強めたことで、生態系の頂点に立つことが出来ました。
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