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豊洲市場 ~世界的観光名所の見学はよりスムースに

2018年11月23日 | 観光スポット

10/11のオープン以来、初めて豊洲市場に行ってきました。様々な意見の不一致や土壌汚染問題ですったもんだが続いていましたが、移転により見えてきたメリットもいくつかあるように感じました。

旧築地市場の場内にあった飲食店もすべて豊洲に移転しており、グルメの楽しみが消えなかったことにはホッとしました。飲食店街の通路も広くなり、待ち行列による混雑もさほど目立ちません。市場の取引の様子も非常に見やすくなっています。

屋上からは湾岸のタワマンや摩天楼、東京タワーの絶景を眺めることができます。築地にはなかった魅力もいっぱいです。


ゆりかもめで市場前駅に到着

豊洲にはゆりかもめで行く人がほとんどだと思います。新橋からだと大回りなので、メトロ有楽町線・豊洲駅からの方が都心からは早いでしょう。市場前駅に近づくとまずは建物の大きさに驚きます。

調べてみると旧築地市場に比べて、敷地面積で1.7倍、建物の床面積で2.8倍になっています。築地には高層の建物がなかったこともあり、巨大な物流センターにやってきたような印象を受けます。

【公式サイト】 豊洲市場の見学者コース (PDF)

建物は大きく水産卸/水産仲卸/青果の3棟に分かれています。「卸」は生産地から大口で仕入れる機能、「仲卸」は卸から仕入れ飲食・小売店に小口で販売する機能を担います。各棟への見学コースが駅を基点に3棟に伸びていますが、現状では3棟の見学コースを周回できず、それぞれ行って帰ってこなければなりません。

お楽しみの飲食店街は3棟毎の見学コースの途中にそれぞれ設けられています。旧築地の場内市場のようにほぼ1か所に集中していませんが、混雑感がかなり解消したことが大きなメリットです。通路が格段に大きくなっています。各店覗いてみましたが、店舗スペースもゆったりしたような印象を受けます。


水産卸売棟の入口

3棟のそれぞれの入口で警備員から見学者を示す名札を受け取らなければなりません。入場は無料です。3Fのガラス張りの通路から1Fの取引の様子を見下ろす構造になっています。水産卸売棟では、マグロなど魚のセリの様子や、その後仲卸棟にターレ(小回りの利く運搬車)で運ばれていく様子が見学できます。

見学コースには各所に市場の機能や魚の種類、市場の歴史を解説するパネルがあります。こちらもとてもわかりやすくなっています。記念撮影スポットにもなります。

セリ場は外部からは完全に遮断されているようで、温度や空気など衛生面での環境が格段に良くなっています。また見学コースも完全に分離されたため、見学者がマグロに触ったり、ターレとぶつかりそうになるトラブルがなくなったことも大きなメリットでしょう。


水産卸売棟の見学コース

水産卸見学コースの飲食店街は、駅と卸売棟の中間にある管理施設等にあります。13店あり、揚げ物とチャーシューエッグの八千代、中華のやじ満、喫茶の木村家といった名店がここに入っています。

次に行きたい水産仲卸棟は、水産卸棟の目の前にあるのに一旦駅まで戻らねばならないのは、かなり不評のようです。両棟の間の道路に連絡デッキをつなげるだけで解決するように思えます。


水産仲卸棟の飲食店街、とにかく通路が広い

水産仲卸棟に入ると、豊洲市場では最大の22店の飲食店街があります。牛丼の吉野家、カレーの中栄、うなぎの米花、シチューのセンリ軒、親子丼の鳥藤はここです。寿司大の行列は豊洲市場でも健在でした。

見学コースでは、縦横の通路にびっしりと並ぶ仲卸の店を上から見下ろします。仲卸棟は床面積が築地の4倍と最も拡張されており、仲買人と仕入れ客の動きにもどこかゆとりがあるようです。


魚がし横丁

見学コース終点から階を一つ上がると、物販店舗が移転してきた「魚がし横丁」があります。包丁や長靴、昆布など、プロ向けのお店ですが見学客も購入できます。こちらも通路が広くなり、ゆっくりと見学・買物できます。

魚がし横丁の真上にある屋上緑化広場に直接上がれる設計にしなかったことは、お役所仕事的で残念です。屋上緑化広場からは東京タワーや摩天楼の絶景が楽しめます。駅の方まで戻ってエレベーターで上がらねばなりません。周遊できないと行く人が少なくなり、結果的に設備を造った意味がありません。

3つ目の青果棟に行く頃には足がかなり疲れてきます。とにかく大きいので旧築地場内よりもはるかに長距離を歩いていることになります。現状の周遊できないコース設定では、疲労のために青果棟に行かない人も少なくないと思われます。築地と言えば魚のイメージが強いのでなおさらです。

青果棟に入る前に1Fに下りると飲食店街があります。ここは最も規模が小さく3店だけです。1Fにおりる案内表示がわかりにくいのも難点です。旧築地場内市場では最大の行列を誇っていた大和寿司には行列が見られず、拍子抜けしました。見学コースや案内表示を改善しないと移転先の店舗割に不満が出てくるでしょう。


市場北正門

とにかく広くなったことで、見学にはかなりゆとりができたように感じました。ただ周遊できない見学コースや屋上緑化広場への行き方、案内表示は改善の余地が大きいでしょう。飲食店や見学コースの詳細を案内する公式サイトも造られていません。また一般人にはわかりませんが、市場としての使い勝手にも課題があるでしょう。

移転自体はよかったのではと個人的には感じています。新施設は不満ゼロでスタートするのは不可能です。早急で着実な改善を望んでやみません。

次回は豊洲に移転せずに残った「築地場外市場」をレポートします。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



築地市場の記録。

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豊洲市場
【東京都中央卸売市場公式サイト 見学について】
【参考:豊洲市場の飲食店情報(とよすと)】

原則休館日:日曜日、祝日、水曜日を中心とした休市日
 →公式サイトでご確認ください 【市場開場日・休業日年間カレンダー】
見学コース入館受付時間:5:00~17:00
※飲食・物販店舗の営業時間は店舗によって異なります。



◆おすすめ交通機関◆

ゆりかもめ「市場前」駅下車、徒歩3分

JR東京駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:30分
東京駅→JR山手・京浜東北線→有楽町駅→メトロ有楽町線→豊洲駅→ゆりかもめ→市場前駅

【公式サイト】 アクセス案内 (PDF)

※この施設には見学者向けの駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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