お盆が終わる8月15日に、東大寺の大仏殿が燈篭の灯りで包まれる万灯供養会(まんとうくようえ)が行われます。高円山(たかまどやま)では大文字送り火が行われ、奈良の夏の夜の一連のイベントがフィナーレを迎えます。
この日は大仏殿の正面上部の観相窓(かんそうまど)が開放され、大仏様のお顔を外から拝顔することができます。南大門の仁王様もライトアップされ、日陰で見にくくなる日中とは異なり、晴れ姿のように鮮明に美しく拝観することができます。
大仏殿からは大文字送り火もバッチリ見えます。年に一度のチャンスです。
毎年8/5頃から行われる奈良公園一帯で夜にろうそくを灯すイベント・なら燈花会に、東大寺は8/13-14の2日間のみ参加しています。大仏殿前の鏡池が幻想的な灯りに包まれます。この両日は大仏殿の夜間参拝ができ、大仏殿と南大門もライトアップされています。
東大寺の万灯供養会は、お盆に帰省できない人の先祖供養に1985(昭和60)年から始められた、比較的新しい行事です。大仏殿回廊内に並べられる燈篭は2,500基あり、参拝者が奉納するものです。「燈篭」を奉納するのではなく、法要時に名前と願い事を読み上げる「祈願」も行われています。
いずれも東大寺の公式サイトで事前に申し込みされることをおすすめします。なお2018年の今年は東回廊が工事中で、燈篭の設置数が限られているためすでに満杯です。
回廊の入口ゲートを通ると通常はわき目も降らずに大仏殿に向かっていきますが、当日は大仏殿正面で必ず一旦立ち止まって、観相窓から大仏様のお顔を見てください。普段と異なりとてもおおらかでぬくもりのあるお顔に見えます。元旦とお盆の夜、年に2日しか窓は開けられません。このお顔にお会いできるだけでも“来た価値があった”と感じるほどの美しさです。
回廊内に燈篭が並べられた光景は圧巻でもあります。燈篭の灯りだけも大仏殿がかなり明るく見えるほどです。
当日の20時には春日大社のやや南側にある高円山の大文字に点火され、奈良市内のほぼどこからでも30分ほど送り火を鑑賞できます。大文字の送り火が奈良でも行われていることは全国的には案外知られていませんが、京都の五山送り火以上にくっきり見えます。標高が高く、市街地の明かりに邪魔されにくいためです。京都より1日早く行われます。点火場所は京都のように5か所ではなく1か所です。
【奈良県観光公式サイト】 奈良大文字送り火
当日の燈篭申込者向け受付
奈良は“夜観光”のイメージがあまり持たれていませんが、有名なイベントは夜開催が案外多いのです。夜の灯りが見せるマジックのような光景はやはり魅力的です。ぜひお出かけください。
こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。
東大寺が運営する高校は、全国有数の進学校でもあります
東大寺 「万灯供養会」
http://www.todaiji.or.jp/contents/function/08mantoukuyoue.html
開催日:毎年8月15日(日付で固定)
開催(拝観)受付時間:19:00~22:00
※拝観には大仏殿への入堂料が必要です。
※大仏殿は通常通り17:30に一旦閉場となり、19:00から再び入場可能になります。
※雨天中止の場合があります。
※スタート時間は当日の法要・神事の進行や天候に左右される場合があります。
東大寺
http://www.todaiji.or.jp/
原則休館日:なし
開館(拝観)受付時間:7:30~17:30(4-10月)
※8月13・14日の夜間参拝の受付時間は19:00~21:00です。
おすすめ交通機関:
近鉄奈良線「近鉄奈良」駅下車、東改札C出口から徒歩20分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:東大寺まで1時間20分
JR大阪駅→JR環状線→鶴橋駅→近鉄奈良線→近鉄奈良駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。
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