一膳めし 黒ねこ亭

酒市魚行是梵宮
食べることは生きること
日々の拙い食記録

スッポン料理  四季の幸『天ん洋』/世田谷区経堂 2016.12

2017-06-30 01:24:55 | 探査レポート
今回は世田谷区経堂。
小田急線経堂駅西側、西通りにあります四季の幸『天ん洋』へ行ってきました。

経堂で50年以上続く、新鮮な魚介を中心に季節の料理がいただけるお店。
此度はスッポンをいただいてみようと予約をしての訪問です。








小上がり席。畳に座卓、座布団。
佳い雰囲気です。










先ずはビール、お通しはあん肝ぽん酢





濃厚で香ばしいあん肝を楽しんでいると、お店の方が「本日はこちらを調理します」と見せてくれました。


人生初スッポンです。

このお店のスッポン料理は生血、刺身、鍋、雑炊。
スッポンはずっと食べてみたかったのですが、この生血っていうのがハードルが高くて今まで躊躇していました。
その点を聞いてみると、生血と言っても血だけではなく、甘口のワインで割ってあるそうで、まったく生臭みや鉄臭さはないとのこと。


論より証拠とばかり運ばれてきました。




生血
本当に一切臭みは無く、甘くフルーティーなワインの味で飲みやすい。
最大の難関と思っていた生血ですが、まったく平気でした。
寧ろおいしい。




胆嚢
薄めの焼酎に入っています。
これは噛むと苦いので飲み込んでくださいとのこと。
味わうというより身体にいいものだからということでくいっと一息にいただきます。




心臓
これも焼酎に入っています。
これは噛んで食べてもいいようですが胆嚢と共に滋養強壮の薬として、という感じなので同様に一息にいただきました。





刺身(前脚の身、レバー、卵)
前脚肉:脂のないすっきりとした赤身の味わい。馬刺や鹿刺に近いです。
レバー:甘くコクがあり非常においしい。クセや臭みは皆無。




今回のスッポンは雌で、卵がありました。
当たり前ですが雄の場合は付かないです。
ぷつっと噛めば鶏卵の黄身のような香ばしく豊かな味わいが広がる。
それでいてスッキリとしてベタつかず軽い後口。




酒は滋賀『笑四季』Sensation 特別純米酒、山口『獺祭』純米大吟醸




続いて鍋をいただきます。









野菜、豆腐、薬味、そしてスッポンが入った鍋が運ばれてきました。



ぶつ切りにされた状態で入っています。 
野菜や豆腐を入れ、煮ながら自家製のぽん酢でいただきます。






骨付きですが身離れがよく、ほろっとほぐれます。
ゼラチン質が多くなめらかな食感、鶏肉のような感じですが脂っぽくなく、とても柔らか。
そしてその身のうまいこと!
頭、あし、エンペラなど部位によって食感も味わいも違い、その豊かで深い旨みに引き込まれ
て夢中で食べてしまいました。


食べ終わると一旦鍋をさげ、スープを漉してくれます。
そして漉したスープが入った鍋とごはん、卵が運ばれてきて、〆の雑炊です。













漲溢なうまみを湛えたスープで炊かれた雑炊もまた、うまいことおびただしい。
手が止まらず、あっという間に食べてしまいました。




おそるおそるいただいたスッポン料理でしたが、食べ終わってみると、なぜもっと早く食べてみなかったのかと悔やまれるくらい美味しいものでした。
鶏とも魚ともちがう、脂っぽくないのにとても柔らかく、こんなにもうまみのある身は初めて食べました。
しかも滋養があり、ヘルシーでコラーゲンたっぷりとのこと。
食べるエステとして女性にもおすすめです。

今回は思い切って挑戦してみて大正解。
楽しい一時を過ごすことができました。
ご馳走さまでした。





四季の幸『天ん洋』
東京都世田谷区経堂3-2-11
17:00~翌02:00 (L.O 翌01:00)
日曜定休