今回は世田谷区船橋。
希望ヶ丘団地前交差点の程近くにあります、ふぐ 割烹『漁火』へ行ってきました。
素敵なご夫婦が切り盛りされている、和やかな雰囲気の中、美味しいふぐ料理がいただけるお店です。
アクセスは少し不便かもしれません。
小田急線千歳船橋駅から徒歩で約16分。
バスだと9分。(千歳船橋駅から少し離れたバス停まで徒歩4分、歳25千歳船橋駅行に乗り船橋交番まで4分、下車して徒歩1分)
ですが、足を運ぶ価値は間違いなくあります。
店内は8席程のカウンターとテーブル席。そして小上がりに堀ごたつテーブル席があります。
下関の俚諺に、『橙の色づく頃より食い始め、菜種の花が咲く頃に食い終わる』とあるようにふぐは冬の間が旬でギリギリ春先までの味覚。
近年では養殖ふぐ技術が発達してきて、徐々に季節を問わず味わえる味覚になってきたようですが、天然ものはやはり海の暦どおり。
気がつけばふぐシーズンも終わりの4月。
今年も宝物を食べ逃してはなるものかと慌ててお邪魔しました(笑)
カウンター席に着き、先ずはビールで喉を湿らせます。
お通しは身皮の和え物
胡瓜、茗荷の食感と香り、身皮のうまみが味わい深い佳肴。
箸が止まらず、ビールも進む。
とらふぐ刺身
やや厚めに引かれた菊花造り。ほんのり飴色の艶。
ぷりぃっと心地よい歯応えを楽しみながらゆっくりと味わえば噛むごとに旨味が染みだし、食べ進むほどに口の中に甘味が広がる。
そして自家製のぽん酢。河豚の旨味を引き出すこのぽん酢の素晴らしさ。
こちらのふぐ刺しは、ぽん酢含めて私には揺るぎない美味です。
酒はいつもの東京福生の地酒『多摩自慢』純米生原酒あらばしりをお願いする。
すると大将が「出入りの酒屋が置いていったお酒があるんですが、いかがですか」と仰る。
もちろん両方いただきます。
新潟『杜氏の華』、東京『多摩自慢』
続いて名物『漁火焼』
殻付き牡蠣に特製のタレをかけて焼き上げた逸品。
香ばしくとても豊かな味わい。熱々を頬ばり日本酒で追っかければまさに口福。
とらふぐの唐揚げ
加熱した身は程よく締まりぷりぷりとした食感、ジューシーで旨味がほとばしる。
刺身とは違った味わいが楽しめます。
皮と骨まわりの旨さはたまりません。
そして鍋。
とらふぐ鍋のはじまりに、待望の宝物をいただきます。
とらふぐの白子
『白いダイヤ』、『西施乳』などとも呼ばれ、その味、食感は古くから美食家、食道楽をとりこにしていたといわれています。
鍋が沸いてきたら白子を入れて、沸騰させぬようにして3分ほど待ちます。
その間にちり鍋の用意ができあがり。
充分に温まったら、早速いただきます。
箸では持てないくらいふるふるです。
ふわっときて、とろ〜り・・・暫し絶句。
なんと言ってよいかわからないくらい、美味しい!
この味わいは、どうにも筆舌に尽くせません。
私にとっては絶品と呼ぶに値する、まさに宝物です。
白子のあとはチリ鍋を堪能。
旨味と甘味に富んだ弾力のある身と野菜のハーモニーを楽しみます。
最後は身とアラと野菜の出汁が溶けたスープで雑炊です。
とらふぐから出る出汁は淡白ながら深みがあり、旨味に溢れ、〆の雑炊を爆発的に美味しくします。
雑炊二杯めは生海苔を入れてみると、香りが佳く、これまた素晴らしく美味しかったです。
今回もうまいうまいの連発。
シーズンギリギリながら、とらふぐを堪能することができました。
宝物の白子もいただけましたし、〆の雑炊も味わうことが出来、大満足。
とても幸せなひとときを過ごさせていただきました。
また季節の味を楽しみにお邪魔したいと思います。
ご馳走さまでした。
割烹 ふぐ料理『漁火』
東京都世田谷区船橋6-3-1
17:30~23:30
月曜定休
(※ふぐシーズンオフの5月~9月は月~水曜定休)